ヤマトイワナが夢中になる毛鉤の巻き方 木曽テンカラ伝承毛鉤 TENKARA FLY FISHING

「 クマもイワナも黒い羽アリが飛ぶ時期を待っているんだよ。」

名人のひと言で、なぜ伝承毛鉤は黒い毛鉤が主流なのか、ずっと疑問だった答え合わせができた。

春と夏は毛糸の色が違う、針の大きさも違う、春先は弱々しい虫にあわせた小さめの針を使い、いろも淡い、夏は強い虫に合わせた大きめの針と少しラメの入ったようなグリーンもいい。

テンカラ師は、通常そのシーズンで、主に２種類だけ持って川へ入る。カディスだのパラシュートだの難しいものは要らない、シンプルにそのシーズンで一番多い虫を模した毛鉤だけを持っていく。

伝承毛鉤の巻き方は特に難しい訳ではなく、フライタイイングにおいて、基本中の基本ともいえる、シンプルなスタイルだ。ご馳走は要らない、サラッと巻くのがいいと言い放つ名人であったが、ヒントは、その素材自体にあったようだ、山鳥の胸毛、手に入りにくい雌の毛、キジの剣羽など、その年にとれた毛は油も乗って、フロータントを吹き付ける必要もないほど浮くらしい。

今回は、ヤマトイワナが夢中になる木曽伝承毛鉤の巻き方を教えていただきました。名人が先代から伝授された、シンプルな毛鉤、大昔からイワナはコレで来るというヤマトイワナが大好きな色と形は芯黒と呼ばれる伝承毛鉤

▼テンカラについて▼
テンカラ毛鉤について知らない方に少しだけ解説しだけ説明させていただくと、簡単に言えば、日本で生まれたフライフィッシングのことです。西洋のフライフィッシングのようにビュンビュン遠くに長い糸を飛ばすのではなく、テンカラ釣りに、リールはなく、竿と重い道糸と毛鉤だけという、とてもシンプル道具だけで、渓流魚を騙して釣り歩くというゲーム性の高い釣法です。割と近距離で、毛鉤を飛ばして、ピンポイントでアタリをとる攻めの釣りで移動する際の手仕舞い寸法もよく、山岳トラッカー達にも愛されています。
元々江戸の初期から、職業漁師さんの技術として各地で発展したものと云われており僕の住む木曽地方のお医者様である山本素石先生が、昭和39年に、はじめてテンカラという言葉を使って記事を書かれた事によってテンカラ釣りが世に広まったといわれています。もちろん、素石先生がテンカラを覚えたのも木曽の老人達から毛鉤を教わったと云われています。

一節にはこの木曽地方発祥という説もあったり、岐阜県の郡上という説もありますが、僕の調べでは、加賀の藩士たちが木曽の山に住み着き、
元々鮎毛鉤として使っていたものが、テンカラ毛鉤として進化したのではないかと考えています。

現代では、フライフィッシングが主流となり、日本ではテンカラ人口が減りつつありますが、逆に、海外で、ミニマリズムを好むアングラー達の間で、密かなブームが起こりつつあります。

今年こそは、君もテンカラやっちゃう？？

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■中村名人（おとうさん）のお宿
望嶽荘
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長野県木曽郡開田高原に暮らすANDIが配信。
薪ストーブ、薪割り、渓流釣り、アウトドア、森の生活、旅日記など、つながれない暮らしぶりを発信しています。

私ANDIは東京生活約20年の後、突然信州に移住、もともと出身が岐阜であるため、山には慣れているものの、いまだに苦労の連続。春夏秋冬を通して森にまつわるストーリーやアイデアをコンテンツにしています。少しでも皆さんのお役に立てたり、こんなところもあるんだなー的に見ていただければありがたいです。

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