【「素の面白さ」で勝負してる? 漫画の演出は、企画・構成の良さを引き立たせるものだけを選ぼう】漫画家ためになるラジオ【vol.157】
指定のページ数に上手くまとめられない要因の1つに「読者へのサービス精神」が強すぎるのではないか、という考え方があります。作品内であれも見せよう・これも見せようと演出を入れすぎてしまった結果、ページ数が膨らみすぎてしまうというわけです。
また、読者を楽しませようといろいろな要素を盛り込んだことで、かえって「作品として一番面白いポイント」がぼやけてしまうことも。何の演出も入っていない企画・構成の段階、いわば素の部分でそれがどこにあるかについて、作者はしっかりと把握して描きすすめることが重要になります。
もちろん素の部分のままに近い状態で作品を仕上げて読者に提供することは、逆に高い技術が必要になります。しかしサービスはあくまでもサービスであり、それがメインになるようでは作品としていけません。
素の部分の良さを一層際立たせるサービスなら採り入れ、そうでないものは採り入れない。それがページ数のダイエットに効く一番の方法です!
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【今回紹介させていただいたご投稿】
ラジオネーム:イグリ さん
===ご質問内容===
ごとう先生ヨシキさんこんにちは! いつも大変お世話になっております。
私はページ数が膨大になってしまう呪いに長年かかっております。しかしその原因と対策について最近理解が進んだことがあるので、共有させてください。
昔ごとう先生は、このページ数が膨れてしまう現象について、「面白いかどうか自信が無くて、要素を増やしちゃうんじゃないかな(演出次第でどうにでも解決できるのに)」とアドバイスしてくださいました。
しかし当時の私はこの助言を、「自信がないわけじゃないんだけどな?」と少々反感混じりで受け取っていました。
ところが最近になってようやく、このアドバイスにおおよそ当てはまる思考の流れが確かにあるということに気づきました。
それは大抵、プロットからネームに作業が移った後に起こります。
「プロットで元々予定している面白さが、ネームで視野を場面場面に絞った影響で見えなくなり、これではつまらないと"判定"してしまう」
それが、「面白いかどうか自信がない」の正体だったのではないかと、今は思っています。
これに気づいた後、70ページあった読切用のネームが48ページまでダイエットできました。数年前のごとう先生に感謝です。
でも、少し切なさもあります。
要素を増やしていたのは、「つまらないなら面白くしよう」という純粋な創作の欲求であり、自分なりのサービス精神のつもりも多少ありました。
その思考回路を断ち切り、「これ以上面白くしなくていい、つまらなくてもいいや」と割り切ることで、ようやく初めてページ数の抑制が実現したのです。
私は面白くするために考えている時間が好きだし、面白くするための方位磁石も、信じていたかった宝物です。でももしその磁石が狂っていて、
そのせいで要素を増やしてしまい、わかりやすさが低下して客観的には面白くなくなるのなら、しまっておくことも必要なのだと理解しました。
さて突然ですがここでおなじみの流れ、ラーメン屋さんに例えます。要は私は「大食いの店主」だったのです。
もし大盛りサービスを売りとしていて、それ目当ての客が相手というなら話は別ですが、たまたま訪れた初めての客に、「それじゃ足りないでしょ」と言って勝手に大盛りにしたり、やれギョーザやらチャーハンやらを勝手にドカドカ追加したら、困惑するし迷惑にすらなってしまいます。
大食いの店主は、自分の腹感覚を一旦しまわないといけないわけです。「それじゃ足りないだろうに…おなかがすいちゃうだろうに…」と本気で思ったとしても。
……あっ、ラーメン屋さんのくだり、もしかして冗長でした?
また要素増えちゃってました?
そんな漫画のボリュームに関する気づきの共有でした。
ちょっとしょっぱいっす。
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