そんなに耐震等級が気になる?強い家はシンプル!柱直下率に注目▶プロ意識の欠如「白いクロスの家」多すぎ→誰でも造れる家が増殖中【ルームツアー | 新築一戸建てvol.8(後編/インテリア・間取り設計)】
私の本業ど真ん中である住宅設計「新築一戸建てvol.8」のお話しです。
今回の前編(外観)と後編(インテリア・間取り設計)の、全2回に分けてお届けします。
※外観に関して、詳しくは前編動画をご覧ください。
→https://youtu.be/SwSL7zgh8xM
【
物件データ】
泉北ニュータウン(大阪府)
延床面積:47.41坪(約156.75㎡) ・4SLDK・2階建
敷地面積:79坪(約261.16㎡)・北向き
道路接面:6間半間口(約11m)
第一種低層住居専用地域、建ぺい率40%・容積率80%、壁面後退1m
玄関にはシチスのマリーゴールド。
ちなみにこのタイルですが、ハウスメーカーや工務店に「滑りますよ」と言われました、と言ったご相談を受けることがあります。
滑りませんので!
ほんと雰囲気で言わないでほしいですね。
目地が細かいので、グリップして滑りやすい感覚は全く無い、というのが正しいかもしれません。
土足はもちろんOKですし、タイルに限らず私自身が使って体感したものを採用するように心がけています。なので、自宅では頻繁にリノベーションが行われています笑
もひとつシチスのタイル目地に関して。
マリーゴールドはベージュ、ジニアはグレーの目地を入れています。
白目地も試しましたが悪目立ちするのでオススメしないですね。
フローリングはウッドワンのオークを選びました。
メーターモジュールの1階トイレにはアラウーノ、ホワイトのタイル調クッションフロア、ウッドのアクセントクロスにイエローの壁紙クロス、天井はブラック。
約5帖の洗面室には1.7mの洗面台(2人並ぶには1.4m以上にするといいですね)、1.6mの衣類収納、オープンクローク、乾太くんで構成しました。
バスルームは、標準の1618から1620にサイズアップしました。
何度も訴えかけておりますが、LIXILさん、オンダガタライトブラウンを復活させてください!
KDLに入ると、約32帖の広々とした空間が広がります。
11帖程度のリビングには3.8mクラスのソファ「ダ・カーポ」を。
「DACAPO SYSTEM SOFA(ダカーポ システムソファ)」
→https://www.actus-interior.com/product/dacapo-system-sofa/
ダイニングテーブルは2.4mサイズで、可動棚収納を2本。
SOHOは3人がけと大きく設計し、その上部には吹き抜けをとって北向きでも明るい空間としました。また、ナチュラルのブックシェルフ、その奥の壁をブラックにしました。
奥壁のブラック効果で、奥行きが消えてナチュラルだけが引き立ちお洒落に見えます。
でも、たぶん‥誰も気づいていないでしょうね笑
同じような効果を狙って、壁掛けTVを取り付けた壁面もブラックにして、さらに壁面に埋まるように凹ませました。
これでTVのある壁面がズドンと広く見えるはずです。
キッチンにはカップボードを2本付け。
1本はお酒が陳列されています。
アイランドキッチンのシャンデリアにはクランカートリプルリング。
「クランカートリプルリング」
→https://store.toyokitchen.co.jp/item/11797.html
このシャンデリアは奥様のご希望だったのですが、トーヨーキッチンの中でもリーズナブル(デザインから鑑みて)でおすすめです。
キッチン天板は総ステンレス。
予備冷蔵庫を設置するため、パントリールームを2帖位に設定し、吐き出し窓からゴミ出しが出来るように設計しました。
2階に上がると、メインストリートを1本通して左右に振り分けたお部屋を点在させています。
5.2帖の子供部屋が3つあり、カーテンで特徴をそれぞれ出しています。
1つはブルーxブルーグラデーション。
2つ目はグリーンxフィンレイソン(イエロー)。
3つ目はピンクxパープル(動物柄)。
トイレには鮮やかな発色ですが、色味自体は落ち着きのあるディープレッドで格好良く。
小さなお部屋で長居しない場所は、思い切った遊び心のある色使いにチャレンジしてみてください。
主寝室には深緑の壁とイエローの天井で、どちらもシックな色味のものを選んで大人っぽく仕上げました。
お洋服好きのご夫婦のために、主寝室のオープンクロークは奥様専用とし、別にご主人様用のウォークインクーゼットも設けました。
ウォークインの奥には4.5帖のバルコニーがありますが、乾太くんのおかげで無くす傾向が高まっています。
このように色とりどりのカラーを駆使した住宅は、心地よい空間づくりに大きな役割を果たします。
ここで大切なことは照明計画です。
陰影のある美しい灯りをデザインする力が必要です。
昨今の流行りというか、責任逃れ体質の流れと言いますか、ハウスメーカーや建築家しかり、建築系ユーチューバーしかり、白いクロスばかり‥どうなんそれ?!
構造においても、奇をてらってお客様に間取りに線を入れることを許して‥どこまで迎合するのですか?
1、2階の図面を並べて見た時に、上下階でガタガタした間取りはダメです。
そのようなお家は、必ず柱直下率が低いです。
柱の直下率とは、2階の柱の下に1階の柱がどれだけあるかを示す値です。
柱直下率が恐ろしい位低くても、構造計算に出してOKが出れば建築してしまう。
私にはそんな弱い家、怖くて建築する勇気がないです。
私が描く在来工法の図面は、柱直下率90%前後です。
一般的に50%以上必要、みたいなことを目にしますが駄目です。
最低限80%は必要だと私は考えています。家はオーソドックスに設計する方が良い。
シンプルですっきりとした家は強いです。
面白みや美しさはアイデアでカバーしましょう。
私が造る戸建ての構造は2x4で、雁行させまくりの凝った造りですが、図面はシンプルで美しいと自負しています。
【新築住宅への想い、中古戸建て・マンションのリノベーションに関して】
私は新築戸建ての設計や建築を主としています。
理由は美しい街を創りたいたいから。
美しい街は資産価値と、それを守る住人の意識を生みます。
街や住人の意識や価値を一変させる思想で、メイクノスタルジーと命名しております。
日々楽しんで苦しんで命を削る思いで設計を繰り返し、
私の描いた設計図面があんなに大きくスケールアップしたお家に建ち上がる。
感動で心が震えます。
だからリフォームやリノベーションに興味があまりなかったんです。
ただ、知人や関係者からたっての要望があると見てみぬふりができず・・。
私が関わることで一人でも幸せな方が増えるのなら、という想いです。
マンションであれば、一旦スケルトンにしてのフルリノベーションは、設計の醍醐味(暮らしの激変)を感じて頂けます。
また、間取り制作や照明計画、外構工事のみやクロス選び、バックセット(カップボード)施工、玄関タイル等の部分的なリフォームもほぼ手掛けません。
部分的なリフォームでも、建築施工が絡む内容には、設計が必要となります。
図面を起こしますと、コンセント・スイッチ・照明計画等の電気配線図の制作も重要なポイントとなります。
照明・電気計画が入りますと、「何を、どう照らすのか」といったインテリア計画(クロス、床材、天井材、家具、カーテン等)が本来必要となります。
図面を制作し、お客様が依頼されている工務店が着工しましても「この図面通りには(技術力の差で)建築出来ません」というやり取りが始まってしまう。
そのような過去のほぼ全ての経験から、住宅の全ては連動した一気通貫の中で計画されるべき、という考えに至りました。
戸建てリノベーションを手掛けない理由として。
いわゆる「暮らしが変わらないリフォーム」しか出来ないことがほとんどなんですよね‥
抜けない構造材や、壁の中を開けてみて想定外の造りになっているなど、表面上は綺麗にできるが、暮らしを変えることが出来ない。
何より、元々の設計者の意図や意志が入ったお家(設計)にメスを入れるだけの修正作業は非常に苦しいですね。
手前勝手ではございますがご容赦いただけますと幸いです。
私はこの仕事に誇りをもっているので、昨今目にする機会が多い「志の無い」世の設計士に嘆いています。
しかしながら、そこに向き合うお客様(建築主)が、より良く打ち合わせが進むようにも願っています。
そこで、ハウスメーカー(設計士)とお客様、双方の視点で解決策はないものかと考察してみました。
工務店や大手ハウスメーカーが耐震性や断熱性のスペックだけを売りにする住宅は本当に、私たちの求める住宅なのでしょうか??
ハウスメーカーにおける建築で、設計力や提案力に満足できないお悩みや、住宅設備を選ぶ基準、インテリアコーディネートでのクロス選びなど、スペックだけにとらわれることなく、美しさと使い勝手を併せ持つ私のオリジナルな基準で住宅に関する情報を発信します。
「自由設計!なんでも出来ます!何度でも図面作成OK!」‥等々
私には「クレームから全力で逃げたい(だけ)」に見えるんですね。
住宅業界の責任逃れ体質。
設計士の意識改革。
お客様の心構え。
私なりの様々な視点から、原因と対策を提案します。
照明計画でお伝えしたいこと。
それは、住宅の原案設計者にしか分からない意図があるということ。
様々な照明器具や建築化照明がありますが、本来の目的や意図と反して使用することもあるということ。
照明計画だけを別の設計士に依頼するのはナンセンスです。
この照明計画と親和性を高めるべき項目にインテリアの計画があります。
住宅は奇をてらわず、シンプルに造ってインテリアで美しくまとめることが大切です。
暮らしの質はインテリアで左右され、人生を変える力があります。
インテリアの計画は、一度きりの真剣勝負で挑んでいただきたい。
プロ目線でお伝えすることは、根本的にインテリアの良し悪しは、住宅設計によるということ。
コーディネーターではなく、一人で一気通貫できる設計士の力量にかかっています。
インテリア、外構、全ては原案設計者が一気通貫でプランニングしないと、家は良くなりません。
美しさも居心地もメンテナンス性も、全ては設計力です。
新築住宅だけでなく、リフォームやリノベーション、DIYを検討されている方にもオススメです。
皆さん楽しんでご覧ください。
@tomoyaoshimura1993
#新築 #リフォーム #DIY #ハウスメーカー #注文住宅 #リノベーション
【チャプター】
00:00 イントロ
00:20 オープニング
01:00 玄関の設計とインテリア紹介
04:50 実物を感じる事の大切さ
09: 18 おすすめのフローリングについて
10:20 トイレの設計とインテリア紹介
11:28 洗面室の設計とインテリア紹介
14:19 お風呂の設計とインテリア紹介
15:08 洗面室の便利な収納について
15:28 ドアの色違いのテクニックについて
15:59 リビングの設計とインテリア紹介
19:33 ダイニングの設計とインテリア紹介
22:30 ダイニングの収納紹介
24:01 キッチンの設計とインテリア紹介
30:18 吹抜けの設計と子供部屋の紹介
32:30 収納と外観を考慮した設計の紹介
33:29 子供部屋と2Fトイレの紹介
34:53 主寝室の設計とインテリア紹介
36:10 クロークとバルコニーの紹介
37:02 シンプルな家づくりと柱直下率の重要性
43:35 家づくりで大切な概念
33:29 エンディング
41:00 Off-shot