0:48新寿限無 21:49里帰り 45:59悲しみは埼玉へ向けて 1:13:07結婚式風景 1:34:18エンドトーク
「新寿限無」
古典落語『寿限無』のパロディ。時代によって多少ディティールを変えて演じられますが高座にかかれば必ずお客を沸かせる名作で、この作品を期に新作落語家たちによる古典落語のパロディ化が始まったといってもいいでしょう。『寿限無』では和尚さんが経文から名前を選び亭主がそれを全部付けて「寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ・・・」と長い名前になりますが円丈師は“酸素、酸素”から始まるまったく違う語句に作り変え、抱腹絶倒、大爆笑の内容に仕立てています。あらすじは、ある夫婦に子供が生まれます。名前をえらい先生に付けてもらおうと亭主は明治大学でバイオテクノロジーを教えているサイトウ先生の家へやってきます。先生は専門分野から次々とめでたい名前をあげていきます。まず酸素「人間は酸素を吸って二酸化炭素を出す。そして植物が二酸化炭素を酸素に変える。また人間が酸素を吸って…と果てしなく続き限りがないからめでたいな」亭主が感心していると、今度は「クーロンのすりきれ」がめで
たいと言い出し・・・
「悲しみは埼玉へ向けて」
北千住駅から新栃木駅に向かう東武伊勢崎線や日光線、日比谷線などの電車内、ならびに沿線で繰り広げられる数々の人生模様を描く。東武鉄道や東京北部(圓丈が住まう足立区など)、そして題名にある埼玉に漂う「B級」あるいは「寂れた」イメージを極端な形で表現している。「19時43分発、準急新栃木駅行き[3]の発車のベルは、まだ鳴っています」というセリフがブリッジのように差し挟まれ、笑いを誘う。題名には「埼玉」とあるが、圓丈が在住していた東京都足立区にちなんだ地噺に近い。本作は圓丈が東保木間の都営住宅に住んでいた当時に制作されたものだが、東保木間ではなく北千住を舞台にした地噺となっている。
三代目 三遊亭 圓丈
新作落語において多くの作品を残し、後進の新作落語家に大きな影響を与えたことで知られる。圓丈の真打昇進の際に師匠の圓生が以前その名前を名乗り売れなかった落語家を代数に入れる必要は無いからお前が初代だ。と発言した事から落語協会公式においては「初代」という位置づけになっていたが、本人は三代目を名乗っていた。師匠・六代目三遊亭圓生が新作を嫌っていたこともあり古典落語を演じることが多かったが1980年代以降はもっぱら新作派として知られる。その演目のほとんどは自作だった。当時の新作は柳家金語楼の流れを汲む人情噺風の落語が主流であったが圓丈は“こうした新作がすでに古臭くなっている”と考え独自の「実験落語」を創作。SF小説のような奇想天外な世界観を持つ新作落語を数多く編み出しファンを獲得した。
「結婚式風景」
柳昇の新作落語の最高傑作と言われ昭和の結婚式を滑稽に表現しながら風刺も効いている。なかでも女学校の校長の毒を含んだスピーチは強烈だが柳昇のさらりとした口舌が笑いを誘う。格式ばったセレモニーを茶化すのは落語の得意とするところで古典落語のネタにも婚礼の場での失敗談「高砂や」葬式での悔みを笑いに転じた「胡椒の悔やみ」などがある
「里帰り」
嫁いだ娘が義母にいじめられていると聞き、「1年間は考えろ」と忠告しながら毒薬を渡す父親。1年後、振り袖姿で実家に現れた娘。義母との関係も良好。使わずじまいだった「毒」の中身は…。
林鳴平(5代目春風亭柳昇)作の新作落語。「どんな状況であろうと子には幸せになってもらいたい」という親心をテーマにした人情噺である。原作はフランスにあり、5代目柳亭左楽が同様の話を演じていた時期もあったと言われるが戦後は柳昇のみが演じていたので柳昇の新作とされている。
五代目 春風亭 柳昇
戦後に講釈師を志したが戦友に6代目春風亭柳橋の息子がおり、その縁で柳橋に入門した
戦争で手を怪我したため手の表現が多い古典落語では成功はおぼつかないと考え、新作落語一本に絞って活動した。年齢を重ねるごとに老人然とした風貌になり、しなびた声・口調に変わっていったが、これがとぼけた味となり、新作派の大御所として地位を確固たるものとしていく。80歳を過ぎても高座やテレビへの出演を積極的に続け生涯現役の噺家であった
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落語の蔵:https://www.youtube.com/@Repli455/videos
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