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幸せに生きるとは? 人生を楽しむとは? #早稲田メンタルクリニック #精神科医 #益田裕介 What does it mean to live happily?

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00:56 幸せに生きるための3つの条件
04:37 全く逆のことをしている
07:23 常識というレッドオーシャン

本日は「幸せに生きるとは」というテーマでお話しします。

外来やいろいろな場面で僕は「楽しく生きましょうね」「幸せに生きなきゃだめだよね」ということをよく言います。
ただ、「楽しく生きる」というのはそもそも何なのかというのは、わかっているようでわかっていません。

ましてや患者さんの場合はよりイメージがつきにくいのではと思いましたので、今回は「幸せに生きる」ということを考え直してみたいと思います。

■幸せに生きるための3つの条件

幸せに生きるための3つの条件を挙げました。
これはよく言われていることでもありますし、心理学の実験でも出てくる3つの項目です。
だいたいこういう結果が出るように統計的に操作しているという噂もありますが、おそらくこの3つなのだと思います。

<1.没頭できる/やりがい>

1つ目の条件は、「没頭できるものがある」「やりがいがある」というものです。
趣味でも仕事でも、何か自分が日中やっている活動に没頭できている、集中できている、やりがいを感じている、というものです。

<2.良い人間関係>

2つ目の条件は、「良い人間関係に囲まれている」というものです。
孤独だとなかなか幸せだと言い難いです。
いろいろな良い人間関係、自分を認めてくれる人たちに囲まれているのが重要だと言われています。

これは家族と言い換えても良いかもしれませんが、家族でなくても良い友人に恵まれているということもあります。

<3.自己肯定感、自信>

「自分はやれるんだ」ということです。問題解決能力とも関係があります。
自己肯定感がないとやはり幸せとは言い難いです。
自分はダメだ、周りは良い人だ、趣味はある、では幸せかというと、「でも自分はこれで良いんだ」と思えればそうですが、なかなかそうは思いにくいです。

やはり問題解決ができる、不安や困難があってもやっていけるという自信が重要です。
逆に年齢を重ねることによって体力が落ちてくると、自己肯定感の部分が落ちてきてしまうので、幸せを感じにくいということがあります。

年を取ると周りの人が亡くなってしまうという問題もありますし、仕事にも没頭しにくくなってしまったり、色々な要素で幸せを感じにくくなるのかもしれませんが、この3つの要素が重要と言われています。

ですから、幸せは「お金」「地位」「贅沢」などではないのです。
お金があれば幸せ、地位や名誉があれば幸せ、ということではありません。それは一瞬のことです。
贅沢をしているから幸せ、でもありません。
患者さんには、お金持ちで資産家で働かなくても食べていける人たちはいますが、彼らが幸福かというと決してそういうわけではなかったりします。

ただ、お金、地位、贅沢、というのは1~3と結びつきやすいです。
お金を稼いでいることや地位があるというのは自己肯定感に結びつきやすいですし、良い人間関係にも結びつきやすいです。
贅沢は没頭できます。買い物なども没頭できます。
ですが、あくまで本質は1~3のことです。

■全く逆のことをしている

でも患者さんは、全く逆のことをしていることが多いです。

・アルコール、スマホ(受動的)
没頭できることややりがいを探すのではなく、アルコールやスマホに依存していくことだったり、「映画を観るのが好き」など、どこか受動的だったりします。
映画を観に行くのは自分から進んで行っているようで、受け取っているだけで主体的に動けていなかったりします。

・ひとりが好き
良い人間関係が大事だと言いつつ、患者さんはひとりが好きな人が多く、人間関係を作ろう、広げていこうという努力がなかなかできません。
それは過去の問題、生い立ちの問題、虐待の問題、トラウマの問題もあると思います。
ひとりが落ち着くかもしれませんが、でもそこを乗り越えてプラスの人間関係を作っていかなければいけません。
マイナスの人間関係にずっと支配されてきたのでひとりが好きと言っているだけであって、ネガティブな選び方です。
ですから、良い人間関係はとても重要だろうなと思います。

・我慢している時だけ
自己肯定感や自信も、我慢している時だけ得られるということが多いです。
例えば摂食障害の人は、ご飯を我慢している時だけ、体重コントロールをしている時だけ自己肯定感が得られる。
整形依存、醜形恐怖の人であれば、整形のためにお金を使うことを我慢している時だけ、やりたくもない仕事をしてお金を稼ごうと我慢している時だけ、自己肯定感が得られる。
残業をしている時だけ、他の人がやらない仕事を任されている時だけ、自分を肯定できる。
このようなパターンは多いと思います。

ですが本来、我慢をしている時だけ自己肯定感があるのではなく、楽しい時も大事です。
陽キャの人たちは旅行をしているときに「イェーイ」と言って旅行に没頭し、「旅行楽しいね、自分サイコー!」とか言っているわけです。
我慢している時ではありません。むしろ楽しんでいる時だけそのように自己肯定感が高まっていたりします。
逆というか、間違ったルートを通っているなと思ったりします。

■常識というレッドオーシャン

そうは言っても、1~3を得るにはお金や贅沢は大事じゃないか、自己肯定感を得るためには問題解決能力ということは、結局ポテンシャルの問題でしょと思うかもしれません。

そうと言えばそうです。
常識という枠の中で戦っていれば、これらのものは競争なので奪い合いなのです。
没頭できる何か、やりがいのある仕事というのは奪い合いです。

例えば「やりがいのある仕事」ということでは、医師もそうであると言われています。
ですが、偏差値的な意味ではどう考えても競争です。
会社の中で地位が高い仕事は人気なので奪い合いです。

良い人間関係もそうです。
誰か好きな人がいたときには奪い合いです。欲しかったら全て手に入るということはありません。
基本的に恋人や友人も、作っていく、見つけていく、獲得していかなければ手に入りません。
自信もそうです。

ですが、これは「常識」という枠に囚われているからです。
皆が求めることを自分も求めていればレッドオーシャンです。

自分なりのものを見つけて行かないと結局は楽できないというか、ブルーオーシャンに行かないとやはり苦しいです。

僕もそうです。没頭できるものとして例えばYouTubeをやっていますが、YouTubeなんてほとんどの精神科医はやっていません。だから没頭できているわけです。
他にもっとライバルが多かったらこんなに伸び伸びとできません。
人間関係や自信もその通りで、僕なりのゴールを作っているから、人が目指すのではないところを目指しているから得られているわけです。

僕は一人で仕事をしていますが、従業員の人がいます。決して大きな組織で働いているわけではありません。
自己肯定感にしても、臨床をやっていることで自分を肯定しているところがあります。
それは、お金、地位、贅沢とは全然違うところだなといつも思います。
「旅行をしている」とかそういうことが楽しいわけではないのです。日々の臨床とYouTubeが楽しいというか幸せなんだと思っていますし、その枠を見つけられた、というのが良いのだろうなと思います。

色々な患者さんを見ていて思いますが、自分なりの何かを見つけていける人は幸せになれます。
オタクっぽい人、自分なりの解釈で本を読んでいる人、美術が好きな人、色々な人がいますが、自分なりの正解や人生観を持って進んでいく人は良くなっていきますし、素敵だなといつも思います。

なかなか良くならない人や、若い患者さんはこういうことを考えた経験があまりないと思います。
この3つの項目を持ち帰って色々考えていただき、外来で主治医の先生と議論してもらえたら治療が促進されるのではないかと思います。

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幸せを感じられない理由、幸せを感じる方法について解説します
https://youtu.be/GUXlA42MpdM

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   早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介

【自己紹介】
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。

【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3 https://www.medsi.co.jp/products/detail/3509
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb130991f3fa4

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