江戸の古い郭噺の代表作である 近年も5代目志ん生、6代目圓生の両巨匠をはじめ 三代目柳好、立川談志などが得意に演じてきた 志ん朝の演出は5代目志ん生譲りと思われる 佐平次自身も含め、「郭とは男たちが日常の鬱屈を晴らすため、 馬鹿になる場所」 というニュアンスを描き出した独自の 「居残り」だった 終景で歌う勇み肌の「投げ節」もまさに御景物。