１１月１６日から２４日まで、福井県永平寺町の旧永平寺保健センターを会場に、ZENAIR２０２４の成果発表展が開かれました。
ZENAIRは、永平寺町に興味をもつアーティストがおよそ２か月間、永平寺町に滞在し、禅文化や地域住民との交流から芸術作品を制作するアートプロジェクトで、昨年に続き２回目の開催です。
今回は、ブラジルで写真家・ライターとして活動するカミラスヴェンソンさんとオランダで立体作品を創作する、ミャオリーさんの２名のアーティストがこのプロジェクトに参加。
永平寺町を舞台に作品を制作してきました。
ミャオさんは、永平寺町で刈り取った稲わらと越前和紙などを用い、「ニミッタ」というタイトルの立体作品を創作。ニミッタは、瞑想中に生じる心象を指すもので、身体は動きながら、心は何も考えずに集中して直感で制作したもの。
永平寺町に滞在してきたときの印象を視覚化した世界をさまざまな形のロープで表現しています。
一方、カミラさんは、高齢の女性を中心にした写真を展示。
写真はすべて越前和紙にプリントされています。
入口から順番にみていくとカミラさんが、福井に来て出会った、人、場所、状況が物語として展開されていく作品になっています。
また、様々な場所で集めた石のオブジェも展示されました。
「アーカイブルーム」と名付けた部屋では、ポルトガル語で話した言葉や文章を翻訳機を使って、日本語に翻訳したポストカードを展示。
翻訳された文章は、上手く翻訳されているのか、それぞれの言語が理解できる人しかわからない。それをお役所的な職場を連想させる家具の上に並べた作品です。
また、翻訳機「ポケトーク」を使い、町内の様々な方と質問形式のインタビューの様子を映像にまとめた、ビデオパフォーマンスも作品として上映されました。
日本に来て感じたコミュニケーションの問題を、そのまま映像作品として表現しました。
発表展は、１１月１６日から２４日までの９日間開かれ、約４００人の方が来場されました。
また、昨年の参加アーティストの中村厚子さんの「土肥家の蔵」の作品も特別開放されました。
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