石川県輪島市では、国の重要無形文化財に指定されている輪島塗の産業が大きな打撃を受けています。
輪島塗を途絶えさせまいと、東京や名古屋で展示会を開いて販売するため漆芸家らが奮闘しています。
輪島塗の木地を作る工房辻椀木地木工芸。
建物の被害はなかったものの、木地の型や見本が散乱しています。
一方、こちらの漆芸家・古込和孝さんの自宅を兼ねる工房は建物の基礎が歪んでしまい住めなくなりました。
古込さんによると被害の大きさから廃業を考える作家や職人も少なくないそうです。
こうした状況の中、古込さんは輪島塗を製造・販売する漆器工房を訪れ地震で壊れなかった品物を集めて東京や名古屋など各地の百貨店で展示会を開いて販売しようと提案しました。
相談を受けた老舗のしおやす漆器工房も大きな被害を受けています。
輪島塗は分業制で、木地を作ったり漆を塗ったりする職人をはじめ、多くの人が製造や販売に関わっています。
一人だけの力で輪島塗を存続させることはできません。
輪島塗に関わる人の励みになるように、みんなで前を向けるように。
漆芸家の古込さんはこれまで個展を開いた百貨店に働きかけ2月21日から名古屋栄三越での展示会が決まりました。
全国6カ所を予定し輪島塗を展示・販売します。
輪島の一大産業でありふるさとが誇る伝統工芸品、輪島塗を絶やしてはならないと懸命な取り組みが続きます。