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「ノルマ達成するまで…」19時間労働に暴行も“ミャンマー詐欺拠点”1万人以上監禁か【報道ステーション】(2025年2月17日)

ANNnewsCH 239,082 lượt xem 3 days ago
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政情が不安定なミャンマーで、犯罪集団よる前代未聞の巨大な拠点が築かれていたことが明らかになりました。

タイの警察によりますと、タイ国境に近い複数の拠点で、日本人数十人を含む1万人以上が監禁され、特殊詐欺などの犯罪に加担させられているとみられています。

ノルマを課され、達成できない場合は拷問を受けるなど、悲惨な状態に置かれていたことが取材を通じて明らかになってきました。

■“ミャンマー詐欺拠点”1万人以上監禁か

17日、タイで行われたのは監禁被害者の救出に向けた話し合い。日本や中国など関係する約20カ国の大使館関係者が情報共有の強化で一致しました。

タイ国家警察人身売買対策センター タッチャイ センター長
「日本人については、今まで2人の少年の追跡に協力した。最後の人は16歳だったが、すでに引き渡している。タイと日本が協力していく予定だ」

ミャンマーとの国境近くに位置するタイ北西部の街メソト。路上に設置された看板には「警告」の文字。「ミャンマーに入ると特殊詐欺の仕事をさせられ全てを失う」と書かれています。

厳重な警戒は川の反対側、ミャンマーにある施設が理由です。そこに広がっているのは区画整理されたニュータウンのような街並み。現地では『KKパーク』と呼ばれています。街のほとんどが犯罪組織の拠点で、多くの外国人が監禁されているとみられます。

壁には有刺鉄線が張られ、複数の監視カメラも。現地のジャーナリストによると、芝生付きの豪華な住宅は組織の幹部の家で、集合住宅には監禁されている人が暮らしているとみられています。

少し離れた別の拠点では、多くの人が建物から出てくる様子が確認できました。タイ警察によると、ミャンマー国内の詐欺の拠点に監禁されている外国人は1万人以上いるとみられるということです。

収容されている人の多くはタイから川を渡り、ミャンマー側に連れて行かれたとみられています。中には日本人も。先週、バンコクの空港で拘束された藤沼登夢容疑者(29)。日本に住む17歳の男子高校生を連れ去った疑いが持たれています。

藤沼容疑者は、オンラインゲームを通じて知りあった高校生にタイ旅行を勧め、航空券をプレゼント。タイに着いた高校生をミャンマーのアジトに連れていき、詐欺に加担させたとみられています。

また、先月には違法に国境を越え、ミャンマーに渡った疑いなどで日本人の男4人が拘束されました。警察は、4人が日本人を対象にした特殊詐欺に関わった疑いもあるとみて捜査しています。

■19時間労働に暴行も…過酷な生活

国境付近では先週、保護された外国人260人が船に乗せられ、タイ側へと渡ってきました。多くの人が連れ込まれ、監禁されているアジト。中ではどのような生活を送っていたのでしょうか。逃げ出した人に話を聞くことができました。

監禁されたバングラデシュ人 アリヤンさん
「稼がなければ罰が待っています。(詐欺は)悪いことですが、選択肢がありませんでした」

バングラデシュ人のアリヤンさんは条件の良い求人情報に応募し、去年8月にタイへ。しかし、待っていたのは銃を持った犯罪組織でした。SNSで女性になりすまし、男性に投資話を持ち掛ける詐欺を強制されていたといいます。

監禁されたバングラデシュ人 アリヤンさん
「毎日19時間、ノルマを達成するまで働かされます。(達成できなければ)電気ショックです。暗い部屋に送られ、そこでは食事も与えられません」

監禁された人はノルマを達成できないと、大きなあざができるほど暴行を受けたり、スタンガンのようなものを当てられたりするといいます。

監禁されたバングラデシュ人 アリヤンさん
「私のグループには100人ほどのアジア系やアフリカ系が働かされ、よそでは中国や台湾、日本からの人もいました。彼らは、日本や台湾の人は賢いので積極的に雇おうとしています」

アリヤンさんは約45分泳ぎ続け、自力で逃げ出しました。

監禁されたバングラデシュ人 アリヤンさん
「川に飛び込んだ時、監視塔にいた見張りから銃弾を4発浴びました。友人たちがまだ戦っています」

なぜこの地域に犯罪拠点が広がったのでしょうか。タイとの国境に位置するミャンマー東部のカレン州は2017年以降、中国の民間企業と国境を守る少数民族の部隊が共同で開発プロジェクトを進めていました。2022年4月に撮影された写真では緑に囲まれ、建物がなかった土地が、7カ月後には様変わりしています。

建物の建設が進む一方で、裏では中国マフィアが運営する違法カジノや詐欺集団の隠れ蓑となっていることが問題になっていました。そんななか、4年前に起きたクーデター。ミャンマー軍事政権となった後も開発は続き、去年3月、国境を守っていた少数民族が国軍に反旗を翻したことで、ますます無法地帯になっていきました。

■日本人数十人以上がアジトに

ノルマと激しい暴行が続く日々。地元の支援団体によると、ターゲットは日本人に移りつつあるといいます。

市民団体で被害者支援 グリティヤー代表
「日本人の需要があり、1人連れてくると5000ドルが支払われるという話が出回っている。今まではアフリカ諸国から多くの人が連れてこられていた。すでに対策が進んだ一方で、日本では被害を知らない人が多いからなのかもしれません」

タイの入管幹部によると、現在アジトにいる日本人は「数十人から100人に達しないくらい」だといいます。

タイは今月から、ミャンマーの国境周辺地域への電力供給を停止するなど対応を強化。一方、ミャンマーの国境警備隊は複数の施設を摘発し、約1万人を拘束。今週中にも強制送還する見通しです。

日本の外務省は、就労を伴う渡航には注意するよう呼び掛けています。

■なぜ多国籍?日本人も加担か

監禁されている人々の国籍はまだはっきり分かっていませんが、12日に保護された260人の国籍をみると、エチオピア、フィリピン、インドネシア、ブラジルなど20の国と地域に及んでいます。

なぜこれほど多くの国の人を集めたのか。特殊詐欺に詳しい日本の捜査官は「国ごとにチームを作って詐欺行為をさせていたのだろう。日本人なら“日本人だけのチーム”を作り、日本向けに詐欺行為を行う」と推測しています。

■“中国系”組織 なぜここで活動?

タイ当局によると、犯罪グループの拠点とみられる場所は、タイとミャンマー国境沿いに複数あるということです。

なぜここに拠点が作られたのか。タイ当局によると「この地域は“特定の武装勢力”が支配していて、他の地域より政府や軍の統制が届きにくい。そのため、犯罪グループが活動する自由度が高い」

中国系の犯罪グループが指揮していたという情報ありますが、中国の国境とは少し離れた場所。なぜこの場所が選ばれたのでしょうか。

中国総局の李志善記者の取材によると、中国系の特殊詐欺グループは元々、国内で活動していましたが、厳しい監視や取り締まりから逃れるために国境を越えたということです。

中国は東南アジアに多くの投資をして、ミャンマーにもカジノ建設や経済開発を進めてきましたが、ミャンマーのクーデター、自国の経済低迷でうまくいかず、中国系犯罪グループが安値で買い取り“犯罪の城”にするというケースもあるということです。

■“中国系”組織 摘発難航の背景

そこまで分かっていて、中国当局はなぜ摘発しないのでしょうか。李記者によると、摘発が難しい背景があるといいます。

中国系の犯罪グループは、中国と国境を接するミャンマー北部にも拠点を持っていましたが、中国当局の働き掛けもあって壊滅したということです。ただ、今回の犯罪拠点は中国との国境ではなく、中国当局の目が届きにくいうえに、ミャンマーの政治状況も複雑で取り締まりが難しいということです。

この問題に中国外務省は17日、「タイ、ミャンマーなど周辺国と連携し、詐欺の撲滅を共同で進める」としています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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