00:00 はじめに
04:05 ①誰も話さないし知らないかもしれない蓄電池の問題点
17:24 ②実データをもとに2軒の家のランニングコストを比較してみた
今回は、蓄電池について解説をしたいと思います。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、最近は蓄電池の金額が下がってきているので、割りに合うんじゃないかという話もあります。ハウスメーカーさんの中には標準搭載だったり、蓄電池をメインに宣伝をされていたりするところもあります。また、群馬県のとある家電メーカーさんのように、電化製品がメインで家がオプションみたいな感じにしているところもあります。1坪あたり120万円とすごく高いのに、家の性能は全く上がってないように見えたので、15年後に壊れたらどうするのかと心配になりました。
蓄電池はエコというイメージがありますよね。また、停電した時にバックアップ電源になるので、災害時に備えられるというイメージもあると思います。ただ私の中では、もっと安く済む他の方法があるんじゃないかなと思ったりします。これは個人的な意見なので、あくまでも知識の1つとして聞いてください。
そもそも蓄電池は、本当に割りに合うのかどうかという問題があります。おそらく設置すると電気代が安くなるから、ランニングコストの削減になるという理由でつける人は多いはずです。そういう人はそこが主目的で、災害時に備えるというところはサブとして考えていると思います。また、最近は全固体電池のものも出てきました。充放電の回数は基本は12000回、全固体電池だと20000回くらいです。単純に12000回を365日で割ってみると、33年ぐらい持つということになります。ちなみに20000回の方は、すごく高くて明らかに割りに合わないため、あまり使ってる人はいない感じがします。
充放電を33年繰り返してくれるのはいいですよね。訪問販売の人も絶対にこのように言うらしいですが、本当に33年使えるのかどうかというと、問題点が2つあるそうです。1つ目はパワコン問題、2つ目は60%問題です。
まずパワコン問題ですが、そもそも太陽光発電のパワコンと蓄電池のパワコンは違います。太陽光発電についてるパワコンは互換性があるので、壊れても交換することができます。ただ蓄電池のパワコンは、基本的にその蓄電池を作った時にセットで考えられたパワコンでないと、上手く作動しないそうです。要は互換性がないと言った方がいいかもしれません。今後、互換性のあるパワコンが開発されるかどうかはわかりませんが、現状としては難しいみたいです。大体15年後に蓄電池のパワコンが充電できなくなるので、その頃には蓄電池も使えなくなってしまいます。
そして60%問題です。これは機種によるかもしれませんが、蓄電池は60%、つまり約20年ぐらい使うと、安全ストップがかかって充電ができなくなるそうです。そうなったら、製造したメーカーさんに安全ストッパーの解除をしてもらい、使い続けるかどうかを判断する必要があるみたいです。これらのことから、蓄電池は33年使えるという言葉の整合性は取れていないんじゃないかという感じがしてしまいます。
さらに、そもそも蓄電池というのは15年保証です。最近は20年保証のものもありますが、33年使えるという説明で売ったとしても、パワコン問題、60%問題、15年保証の問題があるため、本当に使えるかどうかはわかりませんよね。別に、蓄電池が悪いと言っているわけではありません。蓄電池は33年間使えるというのは事実だと思いますが、その話だけが先行してしまうのはどうなのかなと思うわけです。
温暖化というものに対しても、いろいろな意見があります。地球の長い歴史の中の気候変動だと言う方もいれば、CO2の問題で温暖化していると言う方もいます。本当のことはわかりませんが、科学者の中では2分化しているみたいです。でも、世の中には100%正しいことはないし、先のことは誰にもわからないから、その時ではこれが正しいんじゃないかという判断をしていくしかないと思います。
話を戻します。蓄電池を33年使うのは、エネルギーコストが上がるならいいけど、上がらなかったら無理かなと思ってしまいます。こういうものは、儲かるからとか、コスト削減になるからという理由でつけるのは正しい選択ではないと思いますが、人間というのは無料や安いというキーワードに惹かれてしまうものなので、そういうキーワードを使えば売れてしまうというのは事実です。そこはビジネスなので、仕方がないところもあります。
メルマガでは詳しく書きましたが、蓄電池をつけた2軒のお家があります。どんな設計をしてるかはわかりませんが、一般的なデータとしてはこんな感じです。片方は2021年に建てられた30坪の家。UA値は0.38で、G2.5。場所は栃木県。3人家族。給湯はガス。もう片方は2024年に建てられた37坪の家。ZEHクラス。場所は栃木県。4人家族。給湯はエコキュート。両方とも、建物の年数的に若者世帯です。
電気代は電気の契約形態によって変わるので何とも言えませんが、一般的には1kWあたり31円ぐらいです。そのため年間の電気代は、前者が27万円、後者が21万円ぐらいです。ここから東京電力で太陽光の余剰電力を売れば、10年間限定ですが、お金が貰えます。なので計算上は、前者は実質20万円、後者は17万円で済んでいることになります。さらにその内、前者は6.1万円、後者は5.4万円分が、蓄電池の効果によるものだということがわかります。
蓄電池のパワコンを交換できる場合、交換代で30万ぐらいかかるとは思いますが、使い続けることができます。怖いのは、パワコンが交換できない時です。あくまでも今の段階では、とんでもなくすごい効果があるわけじゃない感じはしますが、先ほどお話しした効果がなくなってしまうということになります。
当社の家の宣伝というわけではありませんが、パッシブ設計をちゃんとして、日射取得をやって、エアコンの台数が少なくても上手く回るような設計をしていけば、結局のところエコになるんじゃないかという感じがします。威張っているわけでも何でもなく、実際にそういうデータもあるので、私はそういう風に思います。
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