【散策物語】 石崎奉燈祭 2018 ~石川県七尾市~ "Issaki Hoto Festival 2018 ai Nanao, Ishikawa."
2018年8月4日収録。
青柏祭、七尾港まつりとともに七尾市の三大祭のひとつで、能登地方に数多く点在するキリコ祭りの中で最も勇壮と言われる。
能登では各地で多くのキリコ祭りが行われているが、もともとは京都の祇園祭の流れを汲むものであり、石崎地区でも古くは祇園系の山車を出していた。しかし石崎八幡神社の納涼祭(お涼み)で何度も火事に見舞われ、1889年(明治22年)に奥能登宇出津より古いキリコを、網すき(網大工)の口添えで譲り受け、火を恐れ、鎮める神事である奉燈祭として替わって始められたもので、約100人もの海の男たちが高さ13~15m、重さ約2tの大奉燈を担ぎ上げ、賑やかな笛や太鼓、鉦の音に合せ、男達が「サッカサイ、サカサッサイ、イヤサカサー」の威勢の良い掛け声をあげながら、漁師町の狭い路地を家の軒をかすめるように担ぎ回し乱舞する。夕刻には神輿お旅所である堂前広場で大漁祈願神事が、その前後に大奉燈の乱舞競演が行われる。夜には奉燈に灯がともり幻想的な雰囲気の中花火が打ち上げられ、狭い路地を進む大奉燈の乱舞競演が深夜まで続く。1995年(平成7年)までは京都祇園社の例祭日である旧暦6月15日に行われていた。
1997年(平成9年)12月4日に能登一円のキリコ祭りが、国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に指定されているが、その中の1つである。また2015年(平成27年)4月24日には、「灯り舞う半島 能登 〜熱狂のキリコ祭り〜」の中の1つとして日本遺産に認定された。