スキーリゾートで“夕食弱者”急増「土日は400~500組断るような状態」 “泊食分離”推進も飲食店不足 新潟・湯沢町(2025/2/13放送)
夜の町にあふれる外国人観光客。
人気のリゾート地では今、いわゆる“夕食弱者”が急増しています。
飲食店の店主は「湯沢名物“夕食難民”といわれるくらい、めちゃくちゃ“夕食難民”がいる」と話します。
取材班が向かったのは年間300万人以上のスキー客らが詰めかける新潟県のスキーリゾート、湯沢町。
夕食時が近づくと町の景色は一変します。
駅からすぐのラーメン店には、外国人観光客が長い行列を作っていました。
この他、町の多くの飲食店が満席状態。
すでに3軒の店が満席で入れなかったという観光客もいました。
神奈川からの観光客:
(夕食)難民です。困っています。どこも(客で)いっぱいで…予想できなくて手当たり次第に探している。
やはり満席となっていたのは、湯沢町の人気グルメ「釜飯」。
店内には、順番待ちの観光客があふれていました。
埼玉からの観光客:
(夕食)探したよね。これからもっと人が増えると、ふらっと入ることは厳しくなるのかな…。
店ではようやく夕食にありつけた外国人観光客たちが、おいしそうに釜飯を食べていました。
一方、駅の近くにあるコンビニはというと、飲食店での夕食を諦めた観光客でごった返していました。
地元住民は「ここに来ても何も食べるところがない。だから外食はできない」と話します。
さらに外国人観光客は、食事には向かないまさかの場所でも夕食を口にしていたといいます。
地元住民によると「(駅の)トイレの中でご飯を食べてる人が多い。食べる場所がない」といいます。
居酒屋の店主は、連日100組近くの観光客が店に詰め掛けていると話します。
居酒屋の店主:
土日はえげつないぐらい混みます。本当に400~500組くらい断るような状態です。
“夕食弱者”が増える背景には何があるのでしょうか。
町の宿泊施設を訪ねると、キッチンでは夕食の準備はされていませんでした。
2年前から提供するのをやめたというのです。
島村ロッヂ・嶋村ヨシ子さん(78):
高齢で何をするにも遅いの…だから無理がある。
町の宿泊施設では、経営者の高齢化や人手不足の深刻化により、食事の提供が大きな負担となっています。
島村ロッヂ・嶋村ヨシ子さん:
お客さまには申し訳ないと思う。もう体力もなかなか追いついていかない。
こうした事態を受け湯沢町は、旅館などの宿泊客に地元の飲食店で食事をしてもらうという“泊食分離”を推進。
しかし、スキーシーズンに殺到する多くの観光客に対しては、飲食店の数が足りていないのが実情です。
居酒屋の店主:
湯沢は冬だけ人が増える。夏場は全然人がいない。それで店が増えない。
そうした中、2年前から開かれているのが屋台グルメが味わえる“ゆざわナイトマルシェ”。
ただ、この催しも一時的な外国人観光客の受け皿とはなりましたが、抜本的な解決にはつながっていません。
どのような対策が求められているのでしょうか。
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんは「テイクアウトを活用する。特に宿に(出前の)メニューを置き、部屋で食べられるような形も準備していく必要があると思う」としています。
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