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【精神科】代表的な不安障害4種類【精神科医が9.5分で説明】社会不安障害|パニック障害|全般性不安障害|強迫性障害

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0:00 (1)はじめに
0:20 (2)不安障害の特徴と治療
2:34 (3)代表的な不安障害4種類
2:41 ①社会不安障害
4:05 ②パニック障害
5:25 ③全般性不安障害
6:48 ④強迫性障害
8:28 (4)まとめ

「不安障害」は、強い不安が生活にも強く影響する精神疾患です。出方などによって主に「社会不安障害」「パニック障害」「全般性不安障害」「強迫性障害」の4種類に分類されます。

「代表的な不安障害4種類」について、精神科医が9.5分でまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

こころ診療所吉祥寺駅前 https://kokoro-kichijoji.com
府中こころ診療所 https://fuchu-kokoro.com
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↓詳しい内容はこちらです。

(1)はじめに

様々なことに強く不安を感じる不安障害は、その出方や出やすい場面などから複数のタイプに分類されます。日常生活に大きな影響を与えるこれらの障害について、今回は代表的な4種類の不安障害を詳しく解説していきます。

不安は誰にでも生じる自然な感情ですが、それが極端に強く長く続いたり、日常生活に支障をきたしたりする場合には、不安障害である可能性があります。不安障害は適切な治療により症状の改善が期待できる疾患です。

(2)不安障害の特徴と治療

不安障害とは

不安障害とは、強烈な不安や緊張が続くことで生活にも強く影響が出る精神疾患です。その出方や場所によって細かく分類されますが、メカニズムや治療法には多くの共通点があります。また、不安を避ける「回避」という行動パターンが生じることも、生活の質を下げる大きな要因となります。

主な症状

不安障害の症状は大きく3つに分けられます。

1. **心理的な症状**:強い不安が持続したり、突発的で強烈な不安発作が起きたりします。
2. **身体的な症状**:動悸、吐き気、手のしびれなど、自律神経の緊張から様々な症状が現れます。
3. **回避行動**:不安が予想される場面を避け続けることで、生活範囲が大きく制限されていきます。

主な原因

不安障害の主な原因として、以下の要素が考えられています。

1. **脳の不調**:うつ病と同様に、セロトニンの不足が影響することがあります。この部分には抗うつ薬が効果を発揮します。
2. **性格傾向**:HSP(Highly Sensitive Person)と呼ばれるような、生まれながらの敏感さや不安を感じやすい気質が影響することがあります。
3. **出来事の影響**:強い衝撃のある出来事が影響し、その記憶が思い出されることで強い不安と回避行動につながることがあります。

主な治療法

不安障害の主な治療法としては、以下の方法があります。

1. **薬物療法**:主に抗うつ薬(SSRI)を継続的に服用して不安を軽減し、必要な時だけ抗不安薬を頓服で使用します。
2. **系統的脱感作法**:不安な場面を回避せず、あえて段階的に直面して慣らしていきます。
3. **リラックスや体調管理**:ストレスや疲労を減らして心の余裕を作りながら、日頃から緊張の緩和を習慣化します。

不安障害はその出方は様々で、出る場面や慢性的か急性発作的かなどの特徴から分類されますが、メカニズムや治療法は概ね共通しています。そのため、複数の不安障害が併存したり、ある障害から別の障害へ移行したりすることも少なくありません。

(3)代表的な不安障害4種類

①社会不安障害

社会不安障害は、対人場面での強い不安と緊張が繰り返される精神疾患です。慢性的な不安に加え、パニック障害に似た不安発作が出ることもあります。治療には抗うつ薬(SSRI)が用いられることが多くなっています。

主な症状

1. **対人場面での持続的な不安**:他者からどう見られるかが気になり、不安と緊張が続いて身体症状も現れます。
2. **強い不安発作の反復**:発表など強い刺激のある場面では、パニック発作と同様の発作が生じることもあります。
3. **対人場面の回避**:人との交流を避けることで社会的な活動範囲が狭まり、重症化すると会社を休んだり引きこもりになったりすることもあります。

主な治療と対策

1. **薬物療法**:抗うつ薬(SSRI)で不安や緊張を改善し、発表の場面などには抗不安薬を頓服で使用することがあります。
2. **対人場面の脱感作**:比較的楽な対人場面から段階的に直面して慣らしていき、不安を克服していきます。
3. **体調管理やリラックス法の実践**:体調を整え、日頃からリラックスを習慣にして、不安や緊張を軽減します。

②パニック障害

パニック障害は、急な心身の不調である「パニック発作」が繰り返し起こることが特徴的な障害です。通勤などの場面でこの発作が繰り返されると、仕事に行けなくなるなど日常生活に大きな支障をきたすことがあります。また「予期不安」と「回避」という症状も、生活に強く影響します。

主な症状

1. **パニック発作の反復**:特に電車などの閉所で心身の強い不調(パニック発作)を繰り返し経験するようになります。
2. **予期不安**:「また発作が起きるのでは」という不安や緊張が日常的に続くようになります。
3. **回避行動**:発作の起きた場面や似た場面を避けるようになり、生活範囲が狭まります。

主な治療と対策

1. **薬物療法**:抗うつ薬(SSRI)で発作と不安を改善し、発作時には抗不安薬を使用します。
2. **苦手な場面の脱感作**:比較的楽な発作の場面(例えば空いている電車など)から徐々に直面して慣らしていき、不安を克服します。
3. **体調管理とリラックス法の実践**:体調改善とリラックスにより、不安の改善とともに脱感作療法の基盤を作ります。

③全般性不安障害

全般性不安障害は、様々な物事全般に対する慢性的な不安や緊張が続く障害です。症状の程度は比較的弱いことが多い一方で、不安の範囲と持続期間の長さが特徴的です。周囲からは単なる性格と思われやすいものの、生活面への影響は決して小さくありません。

主な症状

1. **慢性的な不安と疲労**:不安や緊張が日常的に続き、精神的な疲弊が生じやすくなります。
2. **慢性的な体調不良**:自律神経の不調が長く続くことで、様々な身体症状が慢性的に現れやすくなります。
3. **回避と消極性**:様々な場面を消極的に避けるようになり、本来の力を発揮できずに周囲からの評価も下がりやすくなります。

主な治療と対策

1. **薬物療法**:抗うつ薬(SSRI)で症状の改善を図りますが、性格的な要素が大きい場合は効果が限定的なこともあります。
2. **不安な場面の脱感作**:比較的楽な場面から徐々に慣らしていき、達成感も活かしながら段階的に克服を目指します。
3. **体調管理やリラックス法の実践**:日常的に体調の管理とリラックスを習慣化し、不安の影響を軽減していきます。

④強迫性障害

強迫性障害は、強迫観念と確認行為が強く現れ、日常生活に大きな影響を及ぼす不安障害です。生活への影響は非常に強く、時に他者を巻き込むこともあります。治療には抗うつ薬が用いられますが、しばしば高用量が必要になることがあります。

主な症状

1. **強迫観念**:「手が汚れている」などの考え(強迫観念)が侵入的に浮かび、なかなか頭から離れず生活を妨げます。
2. **確認行為**:強迫観念を打ち消すために手洗いなどの行為を繰り返します。これが一回に2時間に及ぶなど長時間化すると、生活に大きな支障をきたします。
3. **巻き込み**:確認行為の代行(代わりにやってもらうこと)などを周囲に強要し、周りの人を疲弊させてしまうことがあります。

主な治療と対策

1. **薬物療法**:抗うつ薬(SSRI)で症状の改善を図りますが、症状が根強いため、高用量が必要だったり、複数の薬剤を併用したりすることがあります。
2. **曝露反応妨害法**:確認行為(手洗いなど)を「あえてしない」ことで生じる不安に慣れることで、克服を目指す治療法です。
3. **他者を巻き込まない**:強迫性障害は根強いため、まず完全な治癒よりも「他者を巻き込まない」ことを目標にして、生活や人間関係の破綻を防ぐことが重要です。

(4)まとめ

不安障害は強い不安が日常生活にも影響を及ぼす精神疾患です。その出方などの特徴によって分類されますが、代表的な不安障害としては以下の4種類があります。

1. 社会不安障害
2. パニック障害
3. 全般性不安障害
4. 強迫性障害

これらの障害は、そのメカニズムに多くの共通点があり、移行や併存も珍しくありません。治療法も基本的には共通しており、抗うつ薬(SSRI)の服用と、不安に段階的に慣らしていく「脱感作」を主に継続して、症状の克服を目指していきます。

不安障害は誰にでも起こりうる疾患であり、適切な治療と対応によって症状の改善が期待できます。不安や緊張が強く、日常生活に支障をきたしている場合は、専門医への相談をおすすめします。

こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)

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【監修者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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