85%超の企業が賃上げ予定でも「6%アップ」の中小企業はわずか1% どうなる春闘【知ってもっと】【グッド!モーニング】(2025年2月26日)
春闘で大幅な賃上げは実現するのでしょうか。賃上げを予定する企業が85%を超えるという調査結果もあるなか、その勢いは広がるのか、中小企業を取材しました。
■「6%以上の賃上げ」見込む中小企業は1割以下
40代 食品関係
「去年と比べて(今月の給料は)上がっています。4%から5%くらい」
25日は、多くの会社が給料日でした。
50代 通信関係 中小企業勤務
「コメや食材とかスーパーに買い物に、ちょっと(間を)空けて行くと、同じものが高くなっていて。貯金を切り崩しながら」
東京商工リサーチによると、中小企業では、労働団体の連合が掲げる「6%以上の賃上げ」を見込む企業は、1割以下にとどまっています。
中小企業勤務 mimiさん(30代)
「一律の給料なので、毎月上がっていくものでもないし。賃上げの話も全く出ていないので、中小企業に賃上げは難しいのかな」
都内在住で3人家族のmimiさんは、去年1年間の出費が食費と日用品代だけでおよそ20万円増え、家計を直撃。物価高に収入が追い付いていないと話します。
■賃上げを抑える代わりに…福利厚生を手厚く
中小企業の賃上げが課題となるなか、昼休憩の合間に汗を流す従業員たち。金属加工を得意とする、東京・大田区にある創業58年目の町工場です。
株式会社三輝 阿部拓也社長
「中小企業はきついんじゃないか」
3代目・阿部社長によると、看板商品の節約グッズの売り上げは好調ですが、物価高もあって、仮に従業員全員の給与を6%上げると、年間1000万円ほどかかります。
大幅な賃上げには、なかなか踏み切れないといいます。
そこで考え出したのが、筋トレでした。
株式会社三輝 高尾勇也さん(32)
「1日30分筋トレすれば、400円手当てがもらえる」
従業員30人ほどのこの会社では、社内に併設されたジムで筋トレをすると、1回400円、ゴルフの練習では250円の手当が支給されます。
さらに昼食は、1食250円で注文できるようにして、賃上げを抑える代わりに、福利厚生を手厚くしたのです。
高尾さん
「コンビニでもおにぎり1、2個しか買えないくらいの(物価)なので。本当に助かります」
去年1月、10年以上働いた同じ大田区内の町工場から転職してきた高尾さん。充実した手当も相まって、生活に余裕が出たと話します。
高尾さん
「なかなかもう物価高なので、従業員のことを考えてくれている会社だと実感します」
この会社では、福利厚生を整えてから、転職したいと100人以上が応募してきたといいます。
阿部社長
「お金というのは切っても切れないと思うので、そこをもっと充実させるために、賃上げできないのなら、これからも福利厚生はもっともっと手厚くしていきたい」
(「グッド!モーニング」2025年2月26日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp