新婚さんなのに新居なし? 引っ越せない!“料金削減作戦”賃貸物件不足の理由 【羽鳥慎一モーニングショー】(2025年3月4日)
引っ越しシーズンのピークを迎えるなか、料金が高騰している。見積もり金額が117万円というケースもあるという。さらに、都心部では賃貸物件の空きが少なく、引っ越し自体ができない人も出ている。
■117万円見積もりも 高騰する引っ越し料金
千代田まどかさん(30代)は3人家族で、今月31日に引っ越しを考えている。
都内にある2LDKの自宅から車で15分ほどの同じ区内への引っ越しで見積もりをとったところ、「見積金額が117万円」という返答だった。
千代田さん
「最初1社目がぼったくっているのかと思ったんですね」
子どもの保育園の合否発表を受けてから住む家を決めたため、引っ越し業者探しも遅れたという。
現在住んでいる賃貸物件は今月31日に契約が切れるため、今月中に引っ越しせざるを得ない状況だ。
千代田さん
「(Q.実際、何社ぐらいに声掛け?)最終的には15社になりました。まだ交渉中でして、本当に繁忙期は避けたほうがいいというのはお伝えしたいです」
■「シーズン料金10万円」加算も
高額な引っ越し料金の見積もりを示された人は、他にもいる。
神奈川県川崎市で妻と3歳の娘と暮らす三代隼人さん(37)は、千葉県鎌ケ谷市の新居へ引っ越すため、見積もりをとった。
娘の保育園の卒園を待ち、3月末の引っ越しを希望したところ、提示された金額はおよそ63万円だった。
三代さん
「まず真っ先に目に入ったのはシーズン料金だけの明細で、10万円乗っかっちゃっている。この時期だからプラスってことなんだと思うんですね」
しかも、この63万円という見積もりは、一番安い引っ越しプランで、時間指定なしで2日間に分けて引っ越しをするもの。
内訳を見ると、7万6千円の人件費が2日分、補助車両はおよそ5万5千円も2日分かかる。さらに、シーズン料金10万円の追加料金が加算されていた。
三代さんの自宅は、4LDKの1軒家で、特に荷物が多いわけではないという。
三代さん
「正直63万円で引っ越しをするってなるんでしたら、家電や家財は処分してしまって、向こうで新品を買ったほうが安くつくんじゃないか」
別の業者に相談したところ、引っ越し日の3週間前倒しを提案されたという。
三代さん
「こちらにお願いした時は、トータルが引っ越し代だけで。引っ越し代だけで12万円で済むような数字。何を積み上げて、この金額の差が出るのか」
娘の保育園の都合で、3月いっぱいは川崎市の自宅で暮らす三代さん。7日には、引っ越し業者が冷蔵庫や洗濯機などの大型の家電や家具を新居へ運んでしまうため、3週間は最低限の家電・家具での生活となる。
三代さん
「なるべく食材なんかもその日のうちに買ったものを、その日のうちに使ったり、お弁当だったり。洗濯もコインランドリーを駆使したりとか」
■不用品買い取りで引っ越し代を節約?
去年から始まったトラックドライバーの残業規制を受け、労働時間が短くなったことで、引っ越し業界でも深刻な人手不足が発生している。
トレファク引越 清水壮さん
「(Q.あと、どれくらいドライバーがいたほうがいい?)あと2~3人ぐらいほしいですね」
埼玉県に暮らす家族は、今月中に引っ越しを予定している。子どもができて、部屋が手狭になったという。引っ越し業者を選んだ決め手は…。
今月引っ越し予定 夫(36)
「不用品の引き取りですね。(不用品の処分を)別で手配しないといけないと、やっぱりそれは手間で、時間もかかってしまいますし。そこを省けるのは、かなりメリットだなと思います」
全国でリユース事業を展開するトレジャー・ファクトリーの「トレファク引越」では、引っ越し時に不用品の買い取りを行い、引っ越し料金から値引きしてくれるという。
清水さん
「ご不用品をお伺いしてもよろしいですか?」
夫
「テレビと、ここ一式は買い取っていただきたいなと」
全29点の査定をしてもらった結果、元々の引っ越し料金が26万4000円のところ、不用品の買い取り金額4400円を引き、最終的な金額は25万9600円となった。
清水さん
「金額の印象としては、いかがですか?」
夫
「買い取り(金額)が、もうちょっとあったら良かったな」
2日に引っ越しをしたカップルも、不用品の買い取りを依頼した。
引っ越しスタッフ
「引き取り品、シールを貼っていきますね。まずはソファベッド」
さらに、少しでも引っ越し料金を減らすための作戦があった。
引っ越しをする女性(25)
「細々したやつを自分たちで運ぶとかですかね。徐々にこの1週間ぐらいかけて、ちょっとずつ夜運んだりして」
細かい荷物を自分たちで運搬することで、荷物の量を減らし、引っ越し料金を安くしたという。
引っ越しをする野崎晃弘さん(25)
「(Q.どれくらい安くなったのか?)4~5万円ですかね。自分たちで運んで、ちょっとでも安く済めばいいかな」
引っ越し時期のピークを避け、自分たちで荷物を運んだことで、最終的に引っ越し料金を5万9800円に抑えることができた。
トレファク引越によると、繁忙期は今月15日から来月6日まで。繁忙期とそれ以外の期間では、料金が倍近く違ってくるという。
■「1カ月経っても内見できず」
異変は不動産業界にも及んでいる。都心部では今、賃貸物件の空きが少ない状態となっているという。去年12月に結婚した佐藤さん夫妻(仮名)は、賃貸物件を探していた。
いい部屋ネット三田店 (株)LOHOUSE
高松晃二課長
「ご結婚なんですね。おめでとうございます」
佐藤さん夫妻
「ありがとうございます」
佐藤さん夫妻は現在、夫の1Kの部屋で暮らしているが…。
妻(28)
「自分の家(の家賃)を払ってる。1日も住んでないのに(家賃)9万円払っちゃってて」
住まいの希望先は、2人の職場がある東京駅に近く、オシャレな飲食店が多い新宿区の神楽坂周辺だ。
妻
「こちらに2月の頭に来たんですけど、(物件は)何もなくて」
高松さん
「内見できる部屋がないのが心苦しい」
妻
「3月はいっぱい物件あるイメージ。ないってビックリ」
新居探しを始めて1カ月、佐藤さん夫妻は未だに内見すらできずにいる。
高松さん
「更新をしたほうが得だって選択をする方が多い。空く部屋が少ない。需要と供給のバランスがずれちゃっている」
アットホームによると、東京23区の賃貸マンションの平均家賃は右肩上がりで、過去最高値を更新した。引っ越し費用の高騰もあり、住み替えをせず更新する人が増加している。
さらに、建築資材や人件費の高騰により、新築賃貸マンションの建築が減っていて、担当者によると空いている部屋は例年の半分以下だという。
■内見なしで先行契約も
こうしたなか、今の居住者が退去する直前の物件を内見せずに契約する「先行契約」が増えている 。
高松さん
「グーグルマップもあるし写真もあるし、それを見てこの物件にしますって方がいます。一度も(部屋を)見てない。引っ越しの理由がご結婚ですから、納得いくためには見といたほうが良い」
妻
「私、個人は(部屋を)見なくても写真がいっぱいあればいいかな。どうですか?」
夫
「そう言ってるので、従います」
妻
「ずっと住み続けるわけではないし」
現在、横浜市に住んでいるAさん(30)は、今月中に会社の寮を出て、引っ越さなければいけない。
高松さん
「いろんな業者さん、回られてきてますよね」
Aさん
「お問い合わせも含めますと4件ほど。実際、契約になりますと、どこも埋まってしまっていて」
会社がある恵比寿駅周辺で物件を探しているが、空きがない状態。紹介できたのは、退去前のため内見ができない先行契約の物件だった。
高松さん
「誰よりも早く手を挙げられるメリット。デメリットを申し上げると、弊社が持ち合わせている室内写真で決めていただかないと」
Aさんは、今月中に引っ越し先を見つけなければ、住む場所がなくなってしまう。
高松さん
「上記物件の賃貸借契約を、内覧することなく契約締結するにあたり、貸主に一切異議申し立てはいたしません」
Aさんは、内見をせずに物件を決めた。恵比寿駅から徒歩8分、築25年の1K(25平米)で家賃8万5000円の物件。今の居住者は来週12日に退去し、Aさんは今月中旬以降に入居できることになった。
Aさん
「家具そろえるのは、一回(部屋を)見てからにしようかな。物件が全然なかったので、ホッとした気持ちのほうが強い」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年3月4日放送分より)
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