※RYO the SKYWALKER氏ご本人より正式な歌詞を頂いたので修正し再アップしました。
KICK THE CAN CREWと当時急激な盛り上がりを見せていた大阪レゲエシーンのTOKIWA DEM CREWからNG HEADとRYO the SKYWALKERを客演に迎えたヒップホップ×ダンスホールレゲエのコラボ曲。1stアルバム『YOUNG KING』のリリース以前に制作されたKICK THE CAN CREWの初期音源の一つ。時期的にKREVAの所属していたラップデュオBY PHAR THE DOPESTの1stアルバム『BY PHAR THE DOPEST』のリリース後ということもありトラックの空気感などは同作品から引き継いでいる。
（※2021年9月追記。キック・ザ・カン・クルーの結成年である1997年の時点で楽曲は完成しており、97年末あたりにカセットテープでリリースが予定されていたようだ。）
レコーディングは完了したものの同1999年にTOKIWAが解散となったため ”俺らがTOKIWAとKICK THE CANだ” といったTOKIWA関連のリリックが使えずリリースが見送られた。当時のKICK THE CAN CREWのライブではダンスホールのリディムに乗せて披露されており、TOKIWAの解散がなければレゲエバージョンのリリースも予定されていたかもしれない。
ヒップホップとレゲエは兄弟のような関係にあるが異ジャンル交流ということでLITTLE、MCUバースには少しラガを意識したフロウの箇所がある。当時のレゲエシーンの中でも関西のDeeJayは韻に対する意識が強く、特にRYO the SKYWALKERはラッパーに負けず劣らぬ密度のライミングを得意としておりヒップホップとの親和性も高かった。またNG HEADも度々ヒップホップアーティストの楽曲に参加したりと盛んに交流を行っていた。
それぞれ個性のあるラッパー/ディージェイだが、ライミングに関して言えばやはりLITTLE、KREVAが飛び抜けており、動画でもハイライトの密度が濃いのがわかるだろう。特にKREVAは脚韻だけでなく入れ子のように間に違う韻を差し込んで踏める場所で手当たり次第に踏み、フェードのように一部の箇所を残しながら違うライムへとスライドさせたりと一段階上のライミングを見せている。
KREVAは当時の雑誌上で若手のラッパー達と押韻について議論しあったり、同1999年に初の大規模MCバトル大会であるB-BOY PARKでの優勝をかっさらうなど、KREVAが人一倍スキルを磨くことに心血を注いでいた時期でもある。
当時はMCバトルどころか即興のラップというもの自体が珍しく、審査員も含め即興ラップを見たことがない人が大半だった。KREVAは審査員制の大会では即興であることを誰にでも分かる形で伝えないことには優勝はないと分析し、ゆったりとした口調でわかりやすくその場にあるものを盛り込み２小節毎の脚韻を１セットとしてフリとオチを使い分けるスタイルで審査員、観客を驚かせた。この構成は二行連（クプレ）という非常に教科書的で分かりやすいライムスキームでもあったため、次年度B-BOY PARKの出場者の大半がこのスタイルを真似し、俗に「KREVAスタイル」と呼ばれるようになった。
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【楽曲情報】よってこい / KICK THE CAN CREW feat. NG HEAD, RYO the SKYWALKER （ ULTIMATE MIX ADJUSTMENT収録）
Lyrics By – LITTLE, KREVA, MCU, NG HEAD, RYO the SKYWALKER
Producer – KREVA
Label - Lastrum Corporation
Discogs: https://www.discogs.com/ja/DJ-Tatsuta-Ultimate-Mix-Adjustment/release/10309789
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