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【走行音】省線電車の響き MT4の一畑電鉄デハ72 '93.11.04

鉄道走行音ライブラリー 20,967 lượt xem 12 years ago
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☆一畑電気鉄道デハ70型デハ72 1993.11.04
 北松江線318列車 松江温泉14時35分発 → 電鉄出雲市15時27分着
 主電動機:MT4(GE244A or 芝浦SE102) (85kW×4、ギヤ比3.45)
 編成 ←電鉄出雲市 デハ72+クハ172 松江温泉→

 MT4は1914年開業の京浜線(京浜東北線の前身)用に製造された木造国電デハ6340型、デロハ6130型向けに製造された主電動機です。
その後、当時「のの字運転」がされていた山手中央線用の1921年製木造国電デハ33500型等に至るまで採用され、総勢90両の省線電車にMT4が使われたとのことです。
 そのうち50両分がGE244Aとして米国より輸入されたもの、残り40両分が芝浦SE102として芝浦製作所(東芝の前身)がライセンス生産(スケッチ生産)したものです。
 したがって、デハ70型が使用していたMT4は「GE244A」あるいは「SE102」のいずれかということになります。
 この主電動機は当時としては画期的な出力(85kw・105馬力)を誇り、大正時代中期までの省線電車を支えましたが、後に作られたモハ10型とは主制御器が異なるため、順次地方へ払い下げされていったとのことです。
 ちなみにMT4を使用した木造国電(院電・省線電車)は、1928年の新規定によりモハ1型に統合されました。
 参考資料(1)によれば「GE200代の主電動機は補極を用いて当時としては高速、高出力化した作品であるが、中でもGE244は名作で設計、材料ともすぐれ無故障、長寿命をうたわれた」とあります。
 そのような訳で大変由緒正しい主電動機の音が平成の世まで一畑のデハ70型で聴くことが出来たのでしょう。
※参考資料
(1)白井昭(1994)「省電モハ1形の機器について」鉄道ピクトリアル,44-12-No599,p110
(2)吉川文夫(1989)「日本電車発達史」カラーブックスNo.778
(3)真鍋裕司(1985)「電車用吊掛式電動機発達史」京都大学鉄道研究会雑誌No.21

戦時中に木南車両で作られ、武蔵野鉄道(西武の前身)で活躍し、戦後の混乱期を西武で生きてから、出雲で余生を送った電車の晩年の姿です。
よろしかったらお聞き下さい。

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