岩手県大船渡市の山林火災は延焼を続け、焼失面積がこれまでの2倍に。平成以降で国内最大の山林火災となっています。
■平成以降 国内最大の山林火災 焼失面積倍の1200ヘクタールに
南波雅俊キャスター:
岩手県大船渡市赤崎町合足から発生した山林火災は、3日目を迎えた28日も延焼が続いています。
焼失面積は、27日までは600ヘクタール以上でしたが、28日時点では約1200ヘクタールに拡大しています。平成以降に発生した山林火災で国内最大となります。
■「乾燥」が大きな要因に 冬の雨量は平年の24%
南波キャスター:
大規模な山林火災となった要因の一つに「乾燥」があるようです。
岩手県大船渡市の2024年12月~2025年2月までの総雨量は平年値の約24%でした。気象庁によりますと、11日連続で乾燥注意報が出ているということです。
森林総合研究所の玉井幸治研究ディレクターは「落葉樹が多いという東北の自然環境に加えて、今年は雪が降っていないので、落ち葉が乾燥し燃えやすい状況になっている」といいます。
■「強風による飛び火」が要因に 「風速5メートルでも広がる」
南波キャスター:
燃えやすい状況に加えて「強風による飛び火」も大きな要因になっていると考えられます。
消防研究センターが行った火災の実験映像からは、燃え上がる炎に対し、風が強く吹くと、あおられた火の粉があっという間に周囲の草木に燃え移り、瞬く間に燃え広がる様子が確認できます。
今回の山林火災でも、このような(飛び火)現象が起きたのではないかと考えられるということです。
市民防災研究所の坂口隆夫理事は「大規模に広がった一番の要因は『飛び火』の可能性が高い。風速5m/sでも火は広がり、強風の場合200メートル先まで届く事もある」としています。
岩手県大船渡市では26日、強風注意報が発表され、最大瞬間風速18.1(m/s)を観測しました。その後27日は18(m/s)、28日午後4時現在は10.7(m/s)を観測しています。
最大瞬間風速は10mを超えると「やや強い」、15mを超えると「強い」という表現になります。26~28日、かなり風が強く吹いたことが、火が燃え広がった大きな要因として考えられています。
日比麻音子キャスター:
消防団の経験もあるそうですが、今回の山林火災をどうみていますか。
パナソニック社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイさん:
私はアメリカで長年、消防隊の司令官を務め、山火事の対応をした経験もあります。
火事の中でも一番怖いのは山火事で、風が強く吹くことはもちろんですが、風が吹く方向が変わると消火活動している消防隊にも火の手が迫ってくるので、とても恐ろしいです。
日本での山火事は珍しいというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、全国で毎日約4件の山火事が発生しているというデータもあるようですから、山火事に対応できるような能力などをつけないといけないのだろうと思います。
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<プロフィール>
ハロルド・ジョージ・メイさん
日本コカ・コーラ副社長やタカラトミー社長などを歴任
現在パナソニック社外取締役 アース製薬社外取締役など
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