虫取りが大好きだった少年が医師となり、海外派遣を通じて新たな役目に気づき、アフガニスタンの人々を助けるために井戸を掘り、用水路を作った人生をアニメにしました。
昭和21(1946年)福岡市生まれ。昆虫採集に野山を駆け回る少年時代、祖母からの「弱い者をすすんで庇え」という教えが彼の人生に大きな影響を与えます。九州大学医学部を卒業し医師となった彼は、まだまだ偏見の残る社会でハンセン病治療にもあたりました。
昭和53(1978年)登山隊の登山隊の帯同医師としてパキスタンを訪問。のちにペシャワールに派遣され海外での活動を開始。その後、隣国アフガニスタンに拠点を移して地域医療にあたりました。
人々の命を守るのは医師としての仕事だけではないと感じた彼は、水の確保こそ健康な生活の根源で、仕事も生み出すという信念から数多くの井戸を掘り、地元の人たちとともに用水路を作りました。荒れ果てた土地に緑が蘇り、豊かな生活を取り戻すきっかけを作りました。
令和元(2019年)、活動中のアフガニスタンで残念ながら凶弾に倒れましたが、アフガニスタンの人はその死を心から悼み、その名を残すために切手も発行されました。中村哲さんの意志を継いだペシャワール会が支援活動を続けています。