言霊の呪術・和歌。
そんな和歌のなかでも特に「言葉の呪力」を強く意識して生み出された歌<呪術歌>が、『万葉集』に収められています。
それらの歌を中心に、『万葉集』をわかりやすく解説しています。
国語の教科書では伝えない『万葉集』のディープな魅力、古代の人々が駆使する言葉の呪力をどうぞご堪能ください!
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🔸本動画の後編はこちらです!↓
【誰も教えてくれない】古代、駆使されていた呪術とは?(『万葉集』徹底解説・後編)
https://youtu.be/FKFFkRP1PnE
→古代日本における呪術 について、わかりやすく解説しています。
※20:48「13巻3253番」とありますが、「2巻147番」の間違いです。大変申し訳ありません。
00:00 世界における「言葉の呪力」
01:24 ご挨拶
01:47 『万葉集』概要
02:18 「言葉の呪力」を重視する価値観
02:47 言葉の呪力の重視① 日本書紀
03:18 言葉の呪力の重視② 出雲国造神賀詞
03:41 言葉の呪力の重視③ 古事記
04:18 言霊
05:01 「言霊」の本質
05:49 和歌の呪力性
06:22 前後編の概要
07:02 894番歌:言霊の発動を狙った呪術歌
08:08 遣唐使の危険な旅路
08:53 神への呼びかけとしての「祝詞」
09:58 52番歌:重層的な仕掛けをもつ呪術歌
10:33 国見
10:49 2番歌:「国見」をする呪術歌
11:22 「見る」呪術
12:01 予祝
12:22 言霊信仰による「ほめ」
13:42 芸能としての予祝
14:07 民間の呪能者「ほかいびと」
14:35 3886番歌:ほかいびとが詠んだ呪術歌
15:27 言語呪術:黒呪術と白呪術
15:48 縁起物としての「蟹」:ネフスキー「月と不死」
16:27 天皇の長寿を言祝ぐ寿き歌
16:45 呪術的仕掛けとしての工程描写
17:01 井筒俊彦『言語と呪術』
17:14 言葉の聖性を高める枠組み
17:54 379番歌:儀式を詠み込んだ呪術歌
18:56 日常的タブー「言挙げ」
19:49 3253番歌:言挙げをする呪術歌
20:25 言挙げ:神の領域に踏み込むこと
20:41 147番歌:鎮魂としての招魂呪術歌
21:20 古代の死生観:挽歌を詠んだ目的
22:30 29番歌:土地を鎮魂する呪術歌
22:52 地霊と天皇の結びつき
23:14 滅ぼされた近江大津宮:天智天皇の怨念
23:43 33番歌:地霊への鎮魂
23:57 地霊と土地の繁栄の密接な関係
24:18 地霊の霊威を発揚させる仕掛け
24:34 枕詞
24:48 母親の霊力を表す枕詞「たらちね」
25:23 霊力を与える枕詞
25:37 地名の枕詞
26:43 柿本人麻呂
27:02 天皇の復活儀礼を行う集団「遊部」
27:04 「魏志倭人伝」に残る「遊び」の慣習
27:54 45番歌:天皇霊との合一をはかる呪術歌
29:32 46-49番歌:一夜の経過を描く呪術歌
30:00 大嘗祭
30:26 阿騎野遊猟歌の別の解釈:即位のための呪力・生命力の獲得
30:59 天皇の呪力・生命力の回復:鎮魂祭
32:27 ふるべゆらゆら
32:48 物部氏:祖神の呪力を担う一族
33:41 失われた一族らが保持した言葉の呪力
34:15 エンディング
■参考文献・論文
青木生子ほか編『新潮日本古典集成 萬葉集 一巻―五巻』新潮社, 2015
井筒俊彦『言語と呪術』慶應義塾大学出版会, 2018
狩俣恵一「乞食者詠 と八重山のユングトゥ」『万葉古代学研究所年報 第8号』2010
大久間喜一郎「万葉の呪歌と万葉集(律文学史序説三)」『明治大学教養論集』1968-03
瓜生中『よくわかる祝詞読本』KADOKAWA, 2017
折口信夫「大嘗祭の本義」『精選折口信夫5』慶應義塾大学出版会, 2019
小島憲之ほか訳『日本書紀 上・下』小学館, 2007
川村悠人『ことばと呪力 ヴェーダ神話を解く』晶文社, 2022
神野志隆光ほか訳『新釈全訳 日本書紀 上巻』講談社, 2021
佐佐木隆 『言霊とは何か 古代日本人の信仰を読み解く』中央公論新社, 2013
塩川哲朗「鎮魂祭の祭祀構造に関する一考察」『國學院大學神道研究集録』2018-03
白川静「古代歌謡の世界-『詩経』と『万葉集』」『講座比較文学. 1 世界の中の日本文学』東京大学出版, 1973
白川静『初期万葉論』中央公論新社, 2002
関裕二『神社が語る 古代12氏族の正体』祥伝社, 2014
多田一臣「安騎野遊猟歌を読むー万葉歌の表現を考えるー」『語文論叢 18』1990-11
谷川健一『古代歌謡と南島歌謡: 歌の源泉を求めて』春風社, 2006
土橋寛「序説」「五 寿詞と祝詞」『講座日本の古代信仰4呪祷と文学』学生社, 1979
土橋寛『古代歌謡と儀礼の研究』岩波書店, 1982
土橋寛『日本語に探る古代信仰 フェティシズムから神道まで』中央公論新社, 1990
鉄野昌弘「『万葉集』巻十六について─「無心所著歌」を中心に─」『文化交流研究 : 東京大学文学部次世代人文学開発センター研究紀要 』2014―27
寺尾登志子「人麻呂の近江荒都歌をめぐって―作者の創意と時代背景―」『専修大学人文科学研究所月報 287』2017-05
豊嶋泰國 『図説日本呪術全書』原書房, 2021
並木広衛ほか編『万葉集の民俗学』おうふう, 1993
ニコライ・ネフスキー『月と不死──若水の研究の試み』『沖縄文化論集』KADOKAWA, 2022
西宮一民校注『古事記』新潮社, 2014
野本寛一『言霊の民俗誌』講談社, 2021
花部英雄 ほか編『シリーズ 和歌をひらく 4 和歌とウタの出会い』岩波書店, 2006
福寛美『うたの神話学: 万葉・おもろ・琉歌』森話社, 2010
古橋信孝 『古代の恋愛生活: 万葉集の恋歌を読む』吉川弘文館, 2016
古橋信孝 『古代和歌の発生: 歌の呪性と様式』東京大学出版会, 1988
古橋信孝 『誤読された万葉集』新潮社, 2004
古橋信孝 『万葉集を読みなおす 神謡からうたへ』NHK出版, 1985
古橋信孝 編『ことばの古代生活誌』河出書房新社, 1989
森朝男「近江荒都の歌ー柿本人麿作歌注釈-1ー」『フェリス女学院大学文学部紀要 』1991-03
森朝男『古代和歌と祝祭』有精堂出版, 1988
民俗学研究所編『民俗学辞典』東京堂出版, 1951
吉野裕子「第4章 蒲葵と物部氏」『吉野裕子全集7』人文書院, 2007
吉村誠「「藤原宮御井歌」の基盤 : 祈年祭祝詞を視点として」『山口大学教育学部研究論叢』 2020-01