#箱蔵剣 #うてな俳句会 #俳句
ほほ灯句会 令和7年2月19日
参加 井上まり 舛岡正弘 高須賀潤緒
源 言鬼 箱蔵 剣
投句 成本魚乃
1降りざまに唾棄の親父や春日向
2押入れの皿起こすかな春の夜
3人影の水に崩るる余寒かな
4磯焚火底引網を繕ひぬ
5春の雪筧流るる糸になる
6春の蝶対の羽衣休めけり
7春衣どこまで伸びる鼻の下
8漱石がゐて虚子がゐて獺祭
9固まりし絵具溶かして描く椿
10菜の花を袂に眩し岸の山
11水温む今朝も只々豆腐寄す
12乳さぐるまで目の開かぬ子猫かな
13古稀過ぎて昔恥るや浮かれ猫
14春浅し頬をなでゆく風の刺
15恵方巻おしやべり癖が邪魔になり
16塩販売の錻力看板寒明ける
17真夜中のチョコシュー頬張るバレンタイン
18椿東風砥石問屋の九曜紋
19下萌の沖を激しや波頭
20壬生菜買ふ沖田総司の影慕ひ
21人も磨き二割三分や獺祭
22水上に上る魚待つ子ぐまかな
23箒目を流して行くや春時雨
24波紋消ゆる獺の祭や尾のつたふ
25飛行機の離陸体勢麦青む
26直土の湿す椿を抱きにけり
27後ろ手に鳥歩きけり春日影
28老犬の最期の春やリード引く
29瞬間知らす小さき揺れの落椿
30陽だまりの襟広ぐかな春セーター
31明らけき料峭へ人送り出す
32手ぐすねを引いて待ちけり鬼の豆
33網に干す小魚獺の祭めく
34遠巻きの囀り満ちるエコーなり
35お返しに破産の覚悟バレンタイン
36一握の思ひのずれる春隣
37インスタに上げたき獺祭未だ見ず
38飛鳥の湯ページ重ぬる花椿
39島人の句読んで仰臥の春の宵
40釣り人の弧の先揺らす獺祭魚
41冴え返る壁に版画の女の目
42解き放つ魔女の一撃春の風
43獺の金色夜叉の祭り事
44夕月へ映る落暉の椿かな