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日本で介護施設長になったネパール人 最初は「なんしようと?」にとまどった

RKB毎日放送NEWS 8,433 lượt xem 1 year ago
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深刻な人手不足に陥っている介護業界。福岡県内の介護施設では、ネパール人の施設長が誕生しました。外国人が施設長になるのは珍しいケースだということで、「ロールモデルになりたい」と奮闘しています。

◆32歳、9年前に来日し介護の道へ
特別養護老人ホームみなかぜ チャウダリ・サロジ施設長
「コロナがまた増えだしていますので今一度気を引き締めて消毒、うがい」

福岡県糸島市の特別養護老人ホーム「みなかぜ」。朝礼であいさつをしているのは、ネパール人のチャウダリ・サロジさん(32)。10月から施設長を務めています。

特別養護老人ホームみなかぜ 施設長 チャウダリ・サロジさん 
「家族からも安心してもらえる、自分のお父さんお母さんが『みなかぜ』にいてよかったと思ってもらえるような場所をつくっていきたい」

9年前にネパールから来日したサロジさん、職場見学の際に高齢者から言われた「ありがとう」の言葉に感動し、介護の道に進みました。

◆「美人さんやけんね」方言の壁も克服して会話
今では、施設長を任されるまでになったサロジさんですが、働き始めた当初は、言葉の壁にぶつかりました。特に戸惑ったのが福岡の方言でした。

特別養護老人ホームみなかぜ 施設長 チャウダリ・サロジさん
「『何をしていますか』と習っていたはずなのに、『なんしようと?』っていわれて『ちょっとすみません、分かりません。もう一度お願いします』って」

忙しい中でもサロジさんが大切にしているのがひとりひとりとの会話。今では、方言混じりで優しく話しかけています。

入所者に話しかけるチャウダリ・サロジさん
「モデルさんやけんね。美人さんやけんね」
「笑顔がかわいいね、いつも笑顔だもんね」


◆心と心でコミュニケーション
特別養護老人ホームみなかぜ前施設長 中村浩さん
「外国人は言葉の面で、最初通じにくかったことを経験しているからこそ、心と心でコミュニケーションをとろうとしている。そこが私たち日本人にはないところなのかなと思います」

サロジさんの同僚
特別養護老人ホームみなかぜ 職員 宮崎沙子さん
「本当に日本語も上手で漢字も読めて本当に勉強熱心な方だなと思っています」

◆「ロールモデルになってほしい」
優しい人柄や責任感を買われ、施設長に抜擢されたサロジさん。この施設を運営するグループでは外国人が施設長になるのはサロジさんが初めてで、全国的に見ても珍しいということです。

社会福祉法人今山会 朝野愛子統括施設長
「ロールモデルになってほしいという思いがあります。やはり自分は外国人だからという意識がどこかにあるんですね。チャンスを与えたいし、それがみんなのモチベーションになればいいなと思っています」

特別養護老人ホームみなかぜ 施設長 チャウダリ・サロジさん
「外国の方にもちゃんと頑張ればチャンスもあるし上にあがれるという気持ちをもってもらいたい。私も見本になれたらいいなと思って施設長を志望していました」

◆介護に従事する外国人は年々増加
厚生労働省によりますと日本で介護の仕事をしている外国人は年々増えています。サロジさんのように国家資格を取得し在留資格「介護」で働く人が、約6000人、「特定技能外国人」や「技能実習生」、「EPA介護福祉士・候補者」をあわせるとその数は4万6000人に上ります。

◆介護職員はまだ足りない
介護を必要とする要介護認定者に対し、介護職員の数は足りません。2021年度、要介護認定者の688万人に対し、介護職員は215万人でした。介護の現場は、海外からの人材がいなければ立ちゆかない状況です。この施設を運営するグループでも10年ほど前から外国人を採用していて、現在は、サロジさんを含め、28人が働いています。

社会福祉法人今山会 朝野愛子統括施設長
「私自身も十数年前はまさか今これほど人材不足になるとは思っていませんでした。状況を予測して今のうちから動いていこうというのが法人の方針だったんです」

◆「できるようになる」様子にやりがい
サロジさんは、「できなかったことができるようになる」入所者の様子を間近で見守れることにやりがいを感じているといいます。

特別養護老人ホームみなかぜ 施設長 チャウダリ・サロジさん
「もうすぐおやつの時間だからね、もう少ししたら起きてもらおうかな、きょうは賑やかだね」

世界が経験したことがないスピードで少子高齢化が進む日本。国籍を超えてサロジさんのような人材を育成し正当に評価していくことが、今後、ますます重要となっていきます。

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