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ゼロから学ぶ精神医学概論 #早稲田メンタルクリニック #精神科医 #益田裕介

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<本の紹介>
精神科医の本音 (SB新書)
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精神科医がやっている聞き方・話し方
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本日は「ゼロから学ぶ精神医学」というテーマで、この動画一本で精神科とはどういうものなのか、精神医学とはどういうものなのか、精神疾患とはどういうものなのか、どういう風に治療していくのかがざっくりわかるように説明しますので最後まで見てください。

精神科の問題というか、メンタルヘルスの問題は、年々関心度が高まっているようです。
子どもたちのなりたい仕事ランキングでも、精神科医や心理士、カウンセラーは結構上位の方に来ているようです。
昔に比べて偏見がなくなり、割とオープンに興味がありますと言えるようになってきた。
オープンに精神科のことを語ったり学ぶことがしやすくなったようです。

とは言いつつ、やはり精神医学の話はちょっとオカルトな感じがするし、偏見も多いです。
「精神科の人って甘えている人でしょ?」「変なことを考えてたり危険な人たちなんでしょ?」とか、そういう偏見もまだまだ多かったりします。

その偏見に対して「そうじゃない」と言いたい、「苦しいんだよ」ということを言いたいがあまり、ベタベタとした、妙に感情に訴えかけるような動画やストーリーや本が多かったりするのかな、というのもあるのですが、今回はさらりと語ってみます。

割と僕はドライに語る方が好きなタイプなので、今回、精神医学というのをできるだけドライに、現役の精神科医から見てどういうものなのか、ざっくりわかるように動画を撮ろうかなと思います。
グチャっとしちゃいましたけど、行きましょう。

■精神疾患とは

精神科の患者さんというのはどういうものなのか、ということですが、簡単に定義すると身体の病気、身体障害はないが、通常の教育、訓練では社会適応困難な人たちというものを指します。

つまり、身体の病気はないけれど普通に学校生活を送れない、親が普通に子供たちを躾けても育てにくかったり上手く育たない、会社で研修を受けたり上司が何度も説明したり叱責してもなかなかミスが改善できない、変わっていけない人たち、いますよね?
そういう人たちはいるんだけれども、それはなぜかということなのです。

そういう人たちをどうやったら助けてあげられるのだろう、どうやったら救ってあげることができるのだろう、どうやったら苦しみから解放できるのだろう、ということを医学的アプローチによって探求するというのが精神医学ということになりますし、臨床ということになります。

元々精神医学がある前から、社会適応が困難な人たちはいました。
ずっと落ち込んでいるな、過敏だったりするな、奇異な行動を取ってしまうな、コミュニケーションが難しいな、変な妄想にとりつかれているな、という人たちがいました。

普通に「落ち込む必要ないよ」と励ましても、なかなか気分が改善していかない、思い込みが取れなかったりする。
身体の病気はないんだけれど、何かおかしいなという人たちがたくさんいたということなんです。
それは歴史の中でもすごくわかっていて、記述されたりしています。
物語の中に描かれていたりします。

ナルキッソスという話はご存じだと思いますが、ギリシャ神話のお話です。
ずっと水面に映る自分の姿を見続けていて、どんどん食べなくなって死んでしまうという話です。
ギリシャ神話の中では神様からの呪いとか、そういう風に描かれてるのですが、今日の医学知識に照らしてみると、それは摂食障害だということがわかるわけです。

そういう人たちが昔からいて、その人たちがどうやったら救われるんだろう、どうやったら苦しみから解放されるんだろう、という人類の願いだったり介入方法があった、と。
それの医学的な介入は何かというと精神医学だということになります。
これが定義の話です。

うまく説明できなくてややこしくなってしまいましたけど、もう一回言うと、身体の病気はないけれど普通の教育や躾け、研修、叱責、訓練では、なかなか社会適応の困難な人たちを集め、それを医学的に介入していきましょう、というのが精神医学であり精神疾患だということです。

■医学的なアプローチ

医学的アプローチとは何かというと、まず「分類する」ということです。
分類して原因や解決方法を解明していく、研究していくということです。
これが医学的アプローチです。

実際にはどういう風に介入していくのか、どういう風に治療していくのかというと、3つに分けます。

A: 脳への物理介入、いわゆる薬物治療
B: 認知への言語介入、つまりカウンセリング
C: 社会制度的介入、つまり福祉の導入

そして治療していくということなのですが、バーッと喋ってしまったのでちょっと難しいと思いますが、そういうことになります。

一個一個説明していきます。

身体の病気はないのですが、教育や訓練を施しても社会適応が困難な人たちがいたときに、まず分類しました。
分類した、つまり診断したということなのですが、どういう人たちがいるんだろうということを分類していった、と。

どういうアプローチで分類していったかというと、まず経過を見ていきました。
これまでどんな症状があったのか、どんな変化があったのか。
今はどんな症状があるのか、落ち込んでいるのか、それとも妄想があるのか、何度も何度も確認してしまうのか、コミュニケーション困難なのか、人付き合いが苦手なのか、そういう症状を調べました。

そして予後です。
その後どうなったのか、ということも調べていきました。
再発するのか、徐々に良くなっていくのか、あまり変わらないのか、と。

経過と症状と予後によって分類していったものを診断と呼びました。

精神医学というのはいつから始まったかというと、正確に言うと1900年前ぐらいからです。
1850年くらいにダーウィンが進化論を発表します(「種の起源」1859)。
それがブームになっていく。
何が言いたいかというと、生物学というものとか、医学というものが、進化論を含め、世の中の人に受け入れられるようになってきたということです。

それ以前は聖書の世界観でした。簡単にいえば。
聖書に描かれている通りであれば動物は進化しないし、人間の心というのは神様によって定められている、支配されているものだった。
けれども、そうじゃないよね、という形で、聖書の教えはやはり人間が作ったもの、ちょっと嘘だよね、ということに人間は気付いて、やはり科学的にアプローチしていこう、ロジカルに考えていこう、と門戸は開かれた。
それが最初は物理学から始まるのですが、人間の脳や心にまで科学のメスが入ったのが1900年ちょっと前くらいです。

ドイツの大学の精神医学の教授クレペリンという人が、経過や症状、予後をまとめなおしました。
そこで精神医学の体系が出来上がり、今日の精神医学の診断体系ができます。
クレペリンが一人でやったのではなく、各地で、フランスでもイギリスでも「こういう病気があるんじゃないか?」という報告や研究がされてきたし、それらを集めたり、クレペリンが実際に診ている患者さん、正確にいうとクレペリン医局グループみたいなところで教科書を作ったのです。
それが今日でも生きています。

とにかくそこでできあがるのです、分類というのは。
分類していったものを、原因は何なのかということで分類していったり、どうやって治療していけばいいんだろう、ということを研究している。
これが医学的なアプローチです。

原因を追究していく中で、脳の解剖をしたり、今だったら遺伝子研究やfMRIを使って脳の画像研究もしたりしているのですが、そうするとクレペリンが作った診断体系とちょっと違うんじゃないの、というのが少しずつわかったり、治療方法がわかっていく中で診断が見直されたり、ある程度ここら辺は双方向的なのですが、一応はそういうものなんです。
何か難しいね、この話は。

概要欄続きはこちら(字数制限のため)
https://wasedamental.com/youtubemovie/6712/#c01

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なぜ精神医学を学ぶ必要があるのか? 民主主義が崩壊しているから?
https://youtu.be/Gc4_jksZcXs

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【精神科医がこころの病気を解説するChとは?】
一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
   早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介

【自己紹介】
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。

【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3 https://www.medsi.co.jp/products/detail/3509
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb130991f3fa4

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