「京都大学 新技術説明会」(2019年5月16日開催)にて発表。https://shingi.jst.go.jp/list/kyoto-u/2019_kyoto-u.html
【新技術の概要】
ヒトiPS細胞から発生過程を正確に再現し、成体腎臓の糸球体や尿細管を派生させる胎児期のネフロン前駆細胞を高効率に分化誘導する方法を開発し、そのネフロン前駆細胞から糸球体と尿細管を含む腎オルガノイドを作製可能とした。
【従来技術・競合技術との比較】
過去に主に3つのヒトiPS細胞からネフロン前駆細胞を分化誘導する方法が報告されているが、それらの方法と比べ本技術は80%以上の高効率でネフロン前駆細胞を作製可能であることと、さらに既報のものよりも正確に発生過程を再現しより生体内のものに近い腎細胞や腎組織が形成されている長所がある。
【新技術の特徴】
・高効率にヒトiPS細胞からネフロン前駆細胞を分化誘導する
・ネフロン前駆細胞の発生過程を正確に再現する
・2次元培養を用いているため簡便で再現性が高い
【想定される用途】
・腎疾患に対する細胞療法の開発
・腎オルガノイドを用いた創薬と薬剤腎毒性評価系の構築
・移植用腎臓の再構築