MACF礼拝説教要旨
2025年1月12日
サウロの回心
使徒言行録9章1〜22節
1さて、サウロはなおも主の弟子たちを脅迫し、殺そうと意気込んで、大祭司のところへ行き、
2ダマスコの諸会堂あての手紙を求めた。それは、この道に従う者を見つけ出したら、男女を問わず縛り上げ、エルサレムに連行するためであった。
3ところが、サウロが旅をしてダマスコに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周りを照らした。
4サウロは地に倒れ、「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」と呼びかける声を聞いた。
5「主よ、あなたはどなたですか」と言うと、答えがあった。「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。
6起きて町に入れ。そうすれば、あなたのなすべきことが知らされる。」
7同行していた人たちは、声は聞こえても、だれの姿も見えないので、ものも言えず立っていた。
8サウロは地面から起き上がって、目を開けたが、何も見えなかった。人々は彼の手を引いてダマスコに連れて行った。
9サウロは三日間、目が見えず、食べも飲みもしなかった。
10ところで、ダマスコにアナニアという弟子がいた。幻の中で主が、「アナニア」と呼びかけると、アナニアは、「主よ、ここにおります」と言った。
11すると、主は言われた。「立って、『直線通り』と呼ばれる通りへ行き、ユダの家にいるサウロという名の、タルソス出身の者を訪ねよ。今、彼は祈っている。
12アナニアという人が入って来て自分の上に手を置き、元どおり目が見えるようにしてくれるのを、幻で見たのだ。」
13しかし、アナニアは答えた。「主よ、わたしは、その人がエルサレムで、あなたの聖なる者たちに対してどんな悪事を働いたか、大勢の人から聞きました。
14ここでも、御名を呼び求める人をすべて捕らえるため、祭司長たちから権限を受けています。」
15すると、主は言われた。「行け。あの者は、異邦人や王たち、またイスラエルの子らにわたしの名を伝えるために、わたしが選んだ器である。
16わたしの名のためにどんなに苦しまなくてはならないかを、わたしは彼に示そう。」
17そこで、アナニアは出かけて行ってユダの家に入り、サウロの上に手を置いて言った。「兄弟サウル、あなたがここへ来る途中に現れてくださった主イエスは、あなたが元どおり目が見えるようになり、また、聖霊で満たされるようにと、わたしをお遣わしになったのです。」
18すると、たちまち目からうろこのようなものが落ち、サウロは元どおり見えるようになった。そこで、身を起こして洗礼を受け、 19食事をして元気を取り戻した。
サウロ、ダマスコで福音を告げ知らせる
サウロは数日の間、ダマスコの弟子たちと一緒にいて、
20すぐあちこちの会堂で、「この人こそ神の子である」と、イエスのことを宣べ伝えた。
21これを聞いた人々は皆、非常に驚いて言った。「あれは、エルサレムでこの名を呼び求める者たちを滅ぼしていた男ではないか。また、ここへやって来たのも、彼らを縛り上げ、祭司長たちのところへ連行するためではなかったか。」
22しかし、サウロはますます力を得て、イエスがメシアであることを論証し、ダマスコに住んでいるユダヤ人をうろたえさせた。
****
今朝の聖書の箇所はパウロの回心の場面です。
サウロという名前はヘブライ語での呼び方です。
彼はクリスチャンたちのことを異端者と考え教会を迫害していました。当時の考え方としてはユダヤ教指導者だったパウロにとって救い主が十字架にかかって死ぬとか、そのイエスを神の子、救い主として礼拝することなど異端的な行動としか思えなかったのだと思います。パウロはある意味で宗教的な義憤にかられて教会とそこに集う人たちを迫害していたのです
使徒言行録9章の記録ではかなりの勢いでダマスコにいるクリスチャンたちを殺そうと企てて、法的な許可証までもらって出かけていきました。
キリストとの出会い
3ところが、サウロが旅をしてダマスコに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周りを照らした。 4サウロは地に倒れ、「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」と呼びかける声を聞いた。 5「主よ、あなたはどなたですか」と言うと、答えがあった。「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。
*光の中に現れたキリスト
クリスマスの物語の中にまばゆい光の中に天の軍勢が羊飼いのところに出現したことが描かれていました。サウロの場合も強烈な光が届きました。おそらく、人間が近づき難い威厳とか眩さがあったと思います。
それだけだったらサウロは自分の行動を神様が認めてくださっていると誤解したかも
しれません。
しかし、そこにイエス様の声が聞こえるのです。
*「なぜ、私を迫害するのか」
イエス様はその光の中でサウロに向かって「サウル、サウル、なぜ私を迫害するのか」という声を聞くのです。
この言葉は間違いなくサウロの心を捉えたと思います。
というのも、サウロが迫害していたのは「キリスト者」たちであり、教会でした。
キリストを信じている人たち、その集団を破壊したいと思ってダマスコに向かっていたのです。
ところがイエス様は、サウロに向かって「サウル、サウル、なぜ、私を迫害するのか」と尋ねています。
どういうことでしょうか。
この救い主イエスは自分の群れ、自分を信じている人たちと、確実に連帯しているという気づきがそこにはあったと思います。
キリストはキリストを信じるものと一体化し、「なぜ私を迫害するのか」とサウロに
問いかけているのです。
まさに、それでこそ救い主だとサウロは感じたと思います。
サウロは宗教的義憤に燃えてクリスチャンたち、教会を滅ぼそうと出かけているわけですが、そこには宗教指導者からのお墨付きはもらえても、神様ご自身から、「よし、私のために行ってきなさい」とは言われていません。
むしろ、神様の心は「イエスを主だと信じている人たち、その群れである教会」と一体化しており、「彼らへの迫害は私への迫害」そして「彼らの痛みは私の痛み、彼らの喜びは私の喜び」ということをサウロに明確に示されたのです。
その光を受け、その言葉を聞き、サウロは三日三晩、飲み食いができず目が見えなくなりました
※ダマスコのキリスト者アナニア
神様はアナニアに向かって、サウロの所に行くように命じます。
アナニアは正直に「戸惑い」を語ります。
13しかし、アナニアは答えた。「主よ、わたしは、その人がエルサレムで、あなたの聖なる者たちに対してどんな悪事を働いたか、大勢の人から聞きました。 14ここでも、御名を呼び求める人をすべて捕らえるため、祭司長たちから権限を受けています。」
15すると、主は言われた。「行け。あの者は、異邦人や王たち、またイスラエルの子らにわたしの名を伝えるために、わたしが選んだ器である。
16わたしの名のためにどんなに苦しまなくてはならないかを、わたしは彼に示そう。」
17そこで、アナニアは出かけて行ってユダの家に入り、サウロの上に手を置いて言った。「兄弟サウル、あなたがここへ来る途中に現れてくださった主イエスは、あなたが元どおり目が見えるようになり、また、聖霊で満たされるようにと、わたしをお遣わしになったのです。」
18すると、たちまち目からうろこのようなものが落ち、サウロは元どおり見えるようになった。そこで、身を起こして洗礼を受け、 19食事をして元気を取り戻した。
もしあなたがアナニアの立場だったらどういう反応を示したと思いますか?
しかしアナニアは出かけサウロに会い「兄弟サウル」と声をかけて神様からのメッセージを伝えます
そしてサウロの新しい人生が始まるのです
彼はその日のうちに人々にイエスが神の子キリストであることを伝え始めます。
昨日までは、その関係者を殺そうとしていたサウロが180度の変換を経験します。
パウロのためにアナニアが遣わされたのは神様の配慮でした。しかも、アナニアは優しく迫害者サウロに声をかけ、洗礼を施しています。
アナニアはサウロの心を温かい空気に包んだに違いありません。
しかも、その数日後、サウロはイエスは神の子だと宣言し人々に伝えています。
本当にドラマチックな回心です。
サウロを変えた主イエス様は私たちをも変えてくださいます。
そして、主は私たちと連帯し、私たちの涙を理解し、喜びを共有してくださいます。
大きな愛に満ちた主イエス様に心からの礼拝を捧げましょう。