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【音楽ガチ分析】謎多き名曲『エリーゼのために』~ みんな間違った音で弾いてる⁉ エリーゼの正体はテレーゼ…ではない? もう"正しい楽譜"はどこにもない

音楽ガチ分析チャンネル 33,677 lượt xem 3 months ago
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作曲家のトイドラが、ベートーヴェン(Beethoven)の『エリーゼのために』を分析します。
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☆楽譜の動画→https://youtu.be/SNr_cPLeWbU

〈ベートーヴェン(Beethoven)〉
「楽聖」の異名を持つ、音楽史において極めて重要な作曲家の一人。
18世紀末~19世紀頭ごろを生き、古典派に分類される。
晩年は聴覚を失いつつも、重厚で重みのある音響を築いた。

1:22 「エリーゼのために」の前提知識
2:35 色々ありすぎるバージョン
13:13 「エリーゼ」の正体
17:12 楽曲の総評
21:45 分析はじめ

〈総評〉
【前提知識】
・ベートーヴェンは大変なプレイボーイだった。
 →高貴な女性や富豪の娘にアタックしては玉砕しまくる。
  レッスン生に恋することも多かった。
 →当時は音楽家の地位が低く、身分の差により貴族との結婚は叶わなかった。
・「エリーゼ」が誰なのかは諸説アリ。
 →本当は「テレーゼ」なのではないかという説もあったが、現在ではほぼ否定。
・「エリーゼのために」は正式な曲名ではない。
 →自筆譜に記されていたとされる、ただの献辞。
 →正式な曲名はない。
  「バガテル25番」と呼ばれることも。
・「エリーゼのために」は死後に発掘された楽曲。
 →女性に献呈されただけの曲で、公に発表するため作曲されたものではない。
 →自筆譜は失われているため、複数のバージョンが存在する。
 ☆ 最後の音は本来Aの単音だが、どういうわけかCの音を付け足して和声感を明確にするのが定着している。

【楽式】
・「A→B→A→C→A」のロンド形式。
 →より細かくは「[A→A→A'→A→A'→A]→B→推移→[A→A'→A]→C→推移→[A→A'→A]」。
  確保と推移が緻密に挿入される。
・様々な転調が細かく挟まれ、面白い。
 →長調への部分転調が豊富で、雰囲気を一変させる。
  例)平行調(III調)・下属調の平行調(VI調)・ナポリのII調など。
・メリハリのつけ方が見事。
 →Aセクションでは基本形のI-Vを繰り返し、B・Cセクションでは転回形・保続低音・転調を多用。
 →ロンド形式で主題に何度も回帰するため、メリハリの効果がよく出ている。

【リズム】
・冒頭が3拍子とも2拍子とも取れる書き方になっており、意味深。

【メロディ・和声】
・メロディがとても美しい。
 →倚音や逸音・7度跳躍といった、古典にしては挑戦的な要素。
 →ロマン派を思わせる色っぽい半音の動きも。
・あからさまなナポリのIIが印象的。
 →1転ではなく基本形も出てくる。
・限定進行が意味深に無視される。
 →「V7 - I5」のコード進行。
  そもそも
・重厚な低音がベートーヴェンらしい。
 →一時的に空虚5度が鳴らされることも。

【表現】
・冒頭の半音刺繍の音形が大変色っぽい。
 →子猫を撫でてでもいるかのような音形。
・ところどころでもの悲しい雰囲気を演出。
 →フレーズの切れ目に現れる空虚5度&限定進行音無視(初版準拠)。
 →Cセクションの悲痛な低音の連打&dimの響き。
 →ナポリのIIの危うい響き。
・情熱的なプレイボーイにしては、曲がしっとり落ち着いていて面白い。
 →楽譜の上ではビシッとカッコつけていた?
・ベートーヴェンは♭II音(フリギア旋法)が好き?
 →ナポリのIIを多用。
 →下属調の平行調(VI調)へ転調する際、♭II音を聞かせて転調誘導。

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作曲家のトイドラ → https://tomita-haruki.studio.site/

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#音楽理論

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