岩手県大船渡市の山林火災発生から9日目。これまでとは違う光景です。
平山栄大カメラマン
「まとまった雨が降ったおかげでしょうか。上空から煙は確認できません」
煙がなくなり、目を背けたくなるような被害の現状が見えて来ました。
赤崎町南部の外口地区では、東側の山に近い住宅に大きな被害が出ていました。外口地区では18戸、三陸町綾里地区と合わせて、これまでに78戸の焼失が確認されています。
大船渡市は6日、赤崎町などで避難指示解除を検討していることを明らかにしました。
大船渡市災害対策本部 松川伸一防災管理室長
「地形的なものや、火の勢い等を考慮して、住宅等への影響は少ないことが見込まれるということで、このエリアを検討している」
市は、連日の消火活動と雨で、火の勢いは弱まっているとの認識で、5日から延焼範囲も変わっていません。避難指示解除の検討は、甫嶺地区の一部と、大船渡湾に面した地域の2カ所です。
ただ、市は、再び発火の恐れがある“熱源”に警戒しています。
火が見えなくなれば終わりではありません。サーモカメラを手に表面温度を測り、規定値以下となって、初めて“火が消えた”と判断します。また、木の内部に火が入っている場合もあるため、そのときは、切り倒して消火する必要もあります。対象となる木は、そこら中に広がっています。それに加え、地中で木の根が燃えているため、掘り返すなどの作業もしなければなりません。時間のかかる作業です。
1週間を超えた避難生活。
炭釜千恵子さん(82)は、着の身着のまま避難してきました。自宅のある綾里地区は、今回の火災で最も大きな被害が確認されています。悩むのは、これからのことです。
炭釜千恵子さん
「(Q.戻りたい気持ちはある)ちょっと複雑。どうしようかと思う。隣と隣が離れているから、助けてと言っても聞こえない。決めてはいない。ただ、多分、住まないと思う」
政府は、被災者生活再建支援法を適用し、被災者に支援金などを給付する見通しを明らかにしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp