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【片麻痺者が動けないのはなぜ?番外編】歯磨き習慣とリハビリ効果の意外な関係・意図的な動作練習よりADLでのリハビリ習慣化

WillLaboのリハビリ講座 920 lượt xem 2 weeks ago
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今回は「片麻痺者が動けないのはなぜ?」シリーズの番外編として、「歯磨き習慣とリハビリ効果の意外な関係」について述べてみたいと思います。

【日常生活を視野に入れた介入の考え方】
僕の書籍「Let's ケーススタディ 脳卒中リハビリテーション」には、『日常生活を視野に入れた介入の考え方』という副題が付いています。

我々療法士は、日常生活を視野に入れた介入を念頭に置いて、日常片麻痺者の方がより動きやすくなるために色々な事を考え提案・指導しています。

その際に、どうしても「正しい知識」や「正しい動き方」と言ったものに引っ張られがちです。
僕たちは「正しい」という言葉に弱い。

でも、僕自身はいつも「正しくなくたっていいよ!」と当事者の方に伝えています。

【何も考えず、ラクに歩けるのが目標】
歩行練習の場合などは、ついつい「かかとから着いてつま先に体重が...」と言ってしまいがちですが、重要なのはつま先に体重が移ることではなく「何も考えずともずっと歩き続けられること」です。

何も考えずにラクに長時間歩けることが歩行の目標であるハズなのに、療法士も正しい知識にがんじがらめになってしまうように感じています。

片麻痺の当事者の方も、「歩く時の注意は何ですか?」「かかとから着かないとダメですか?」なんて聞いてきます。

そのような理論は一旦脇に置いておいて...
通常、ラクに歩けていたら、踵から着くのは自然に起こります。

ヒトには歩行に関連する神経回路網が備わっており、脳とは関係なく勝手に発火するようになっているので、歩行リズムが無意識に発動します。

【歯みがきする感覚でリハビリも習慣化】
冒頭の「歯磨き習慣」に戻りますが、僕は3週間に1度のペースで歯科医院に通っています。

歯科医院では歯みがき指導は勿論のこと、プラークが溜まりやすい箇所、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方も教えて貰えます。
3週間ごとに通院しているので、その間しっかり磨けていたか、磨き残しが無かったなど、細かい点までチェックされます。

定期的な検診を受けることで、歯科医の先生から色々なアドバイスを貰うことができ、相談にも乗って頂けます。

但し、それは「僕が毎日欠かさず歯を磨き、3週間ごとに通院する」ことが前提になります。

脳卒中片麻痺のリハビリにも同じ事が言えます。

僕は「立ち座り」の練習を沢山行いますが、立ち座りの練習をした時に、当事者の方がどんな風にやっているか、どんな感覚を持っているかを意識して見るようにしています。

前回の動画「歩けない・動きづらいは寝起きから始まっている」や「寝起きから始まる脳の誤作動」で言及したように、ムリヤリでも立ち上がれればいいや!という感覚で普段動いている方は、誤った身体の使い方を学習しているため、自然でラクな身体感覚が得られていないように見て取れます。

僕のスタジオでリハビリを受けた時には「先生が施術してくれると軽くてラクに動けます」と言って下さいますが、いざ自宅に帰宅し、自分ひとりで動こうとすると、とたんに上手くいかなくなってしまいます。

そうした勿体無い状態にならないために、スタジオに何度か通って頂いて、ラクに歩ける方法や立ち上がった時に腕が上がらないようにするための身体の使い方を、継続的に指導していくのです。

冒頭の歯医者のように、僕の歯の状態に合わせた磨き方や改善ツールを教えてくれるのと同じことです。

【普段リハビリやっていないのは即バレる】
毎食後の歯みがきが大切とは言っても、どうしても忙しい時は適当に済ませたり、雑になってしまう事もあるでしょう。

数回はセーフかもしれませんが、積もり積もると「山田さん、最近ちゃんと歯磨きしてないでしょう~」と歯科医の先生に指摘されてしまいます。手抜きしてんのバレバレです...みたいな。

歯を磨くか磨かないかは、結局のところ僕にかかってるんです。

これは僕のスタジオに来られる片麻痺者の方にも当てはまります。

スタジオに入って来られた直後の表情は真剣そのものでも、少し動きを観察すれば「この人、普段自主トレやリハビリやっていないあ」と直ぐ分かります😅

【療法士はADLレベルに落とし込んだリハビリを】
歯みがきにせよ、リハビリにせよ習慣化することがベストですが、正しい動作を習慣化する事に固執する必要はありません。

「ADL=日常生活動作」まで今の状況が保てるか、何かを考えなくても立ったり座ったりする事ができ、歩き出した時の身体状況が整っている所までを含めて指導し、当事者を誘導していく思考を持つのが重要です。

適切なリハビリを提供し習慣化させていかないと、1週間、2週間後には元の状態に戻ってしまいます。リハビリで覚えた動き方の勘所やコツ、感覚が身についていないという事になってしまうのですね。

療法士によってどういうリハビリをするかは変わりますし、担当している当事者の方にどういう介入や指導が必要なのかも、その方の特徴により異なると思います。

あくまで僕の場合ですが、指導は言葉のレベルではなく、とにかく動いてみて貰って「おお!今もの凄くラクです!」という感覚を覚えて貰うようにしています。

リハビリで得られた「イイ感じの感覚」が失われてきたら、動き方が少し違うという裏付けになりますよ...という伝え方をしています。

「正しい動作練習」をしましょうというよりも、ADLの中で達成できるレベルまで持ち上げたうえで、今後も継続できるように誘導してく。

もし継続できなくなったのなら、どういう所が上手く行っていない可能性があるのかを考察し、以前に得られた「イイ感じの感覚」に戻れるよう、確認の練習をしてみたりする。

このような考え方の工夫は、日頃のリハビリで実践できると思います。

歯磨きを習慣化して口腔内の衛生状態を保つのと同じように、脳卒中片麻痺のリハビリも捉えられるのではと思い、今日のテーマとしてお話してみました。

3:02 歯を磨く習慣
4:25 歯周病
6:38 脳卒中リハビリテーション:ADLに活かす
7:14 正しくなくていい!
9:32 片麻痺のリハビリも同じ
10:06 ラクに動き続けられるための提案
11:45 リハを習慣化してるかはバレる
13:44 継続できる所まで療法士が指導
15:55 意図的な動作練習よりADLでの習慣化を目指す
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■リハビリスタジオ WillLabo(ウィルラボ)
両国にある自費リハビリ施設です。
のべ40,000人もの利用者にリハビリテーションサービスを提供してきた熟練セラピストが、マンツーマンで質の高いリハビリを提供します。

■代表
山田稔(やまだ みのる)
・作業療法士
・国際ボバース講習会講師会議認定療法士 

臨床経験30年
医療機関で18年研鑽を積み、両国で起業し13年

■対応疾患
・脳卒中 片麻痺
・高次脳機能障害
・パーキンソン病
・変形性股関節症
・ガン悪液質症候群など
※その他障害や疾患もご相談下さい。

■ウェブサイト
リハビリスタジオWill Labo
https://willlabo.com/

リハビリ職人育成講座
youtube.com/@willlabo9717-r3r

OT.PT.STのためのリハビリ職人育成講座
https://www.willlabo.online/

療法士向けセミナー
https://willlabo.com/service/seminar/

ご予約
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※オンラインリハビリ:1時間 7,700円

お問合せ
https://willlabo.com/contact/

■注意
動画では臨床経験から得た経験や知識を元に情報発信をしています。
各自の身体状況は直接評価しないと分かりませんので、あくまでも参考情報としてご覧下さい。
動画内でご紹介した事例や自主トレの効果には個人差があり、すべての方に効果を保証するものではありません。
実践される場合は、安全を確保し、必要に応じて担当セラピストや主治医に相談の上、実施するようにして下さい。

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