私の本業ど真ん中である住宅設計「新築一戸建てvol.9」のお話しです。
今回の後編を含め、全2回でお届けします。
【物件データ】
泉北ニュータウン(大阪府)
延床面積:41.89坪(約138.50㎡) ・4SLDK・2階建
敷地面積:56.74坪(約187.60㎡)・北向き
道路接面:約13.11m
第一種低層住居専用地域、建ぺい率40%・容積率80%、壁面後退1m
前編動画はこちら→https://youtu.be/lsgRyyZPjoE
では、今回の後編動画ではお家の中へ入っていきます。
玄関ホールからKDLへのドアを開けると通路、その右手にSOHOが鎮座し、左手には5段収納。
この通路はあえてプランニングしました。
距離を出すことによってKDLの奥行きと、広がりが得られます。
通路左手の横壁を利用して、壁掛けテレビに造ったコーニス照明の仕掛けをサイドから見えないように工夫しています。
カーテンはシーニックのレースのみとし、レールはTOSOを合わせました。
リビングにはアイラーセンのストリームライン(カウチソファ)を。
STREAMLINE SOFAストリームライン ソファ(ACTUS)
→https://www.actus-interior.com/product/streamline-sofa/
安定の格好良さですね。
何度もお伝えしていますが、背面を壁につけないアイランドソファにしないこと!
家具屋のパースは信用しないこと!
パースだと良い感じに空間にレイアウトされていますが、寛げない・通れない・無駄にスペースを消費するなど、良い感じじゃないことばかりです。
家具屋はお家(建築や住空間設計)のプロじゃないので信用しないように。
裏庭には広々としたウッドデッキを設置。
お庭はプライバシーが守られる裏手に持っていくのがベターです。
ウッドデッキはマスト。
お家の床面積を広げてくれますし、お庭に出る際の高さを埋めることはストレスを埋めることにも繋がります。
縁側程度の広さでも、暮らしはより良く変わります。
ウッドデッキに限らず、ソファやカーテンも「お金が貯まってから買おう(買い替えよう)」は、ほぼ実現しません!
皆さんどうですか?
インテリアのほとんどは「まだ使えるし」って、可愛くなくても、格好良くなくても、気に入ってなくても使い続けてはいませんか?
お家を建てる時が最大のチャンスです。
最初に頑張って揃えましょう。
幸福感や快適を長く享受したほうが、家族全員幸せだと思います。
最初が肝心ついでに、シートフロアは無し!
最低限LDKは無しです!
傷がつきにくいという工務店の理屈だけで、冬には震えるほど冷たい偽物柄のプリント素材を、家族が長時間集うエリアに使用するのは止めましょう。
ニューヨークスツールを合わせたアイランドキッチンには、ブラック天板(デュポン)にダークブラウンの面材で、美しい家具のようにインテリアの一部と化しています。
ニューヨークスツール(トーヨーキッチン)
→https://store.toyokitchen.co.jp/item/638.html
キッチンコディネートのテクニックとして。
濃い色の天板は家具っぽくなり、ホワイト系の天板はキッチンらしくなります。
できれば濃い色目の天板を選ぶ方がベターです。
ホワイト系の天板は質感が大事ですので、クォーツストーンなど上質な素材を使わないと安っぽくなってしまいます。
そして説明不要のガゲナウ、最高です。
静音性良し、耐久性良し、神経質に扱わなくても良し。
ガゲナウは世界で最も有名なビルトインキッチン機器であり、日本ではN・TECという会社が仕入れています。
株式会社 N・TEC
→https://www.ntec.tv/
シンクはステンレス一択!
白い人工大理石は変色するので使わないこと!
レンジフードは目立たないもので、清掃性を重視して選びましょう。
カップボードのシチス(ジニア)がキラキラと美しいですね。
フォーカルポイントとしての煌めく美しさだけでなく、手元灯の役目もしっかりと果たしています。
パントリーや冷蔵庫上収納までセットでプランすると、美しくて機能的なバックセットが完成します。
あ、EKOのゴミ箱(バタフライカン)もお忘れなく。
バタフライカン:エコフライ ステップビン(EKO JAPAN 株式会社)
→http://www.eko-japan.co.jp/products/detail/ecofly.html
洗面室はティファニーブルーの壁面で華やかに。
洗面化粧台は1,600mm、乾太くんと衣類収納の最強タッグ+リネン庫でパーフェクト。
2階の廊下や主寝室には、カーペットを敷き詰めてホテルのような心地よさをつくりました。
子供部屋は下がり天井を利用して可愛く(上がり天井なら吹き抜けが私は好きです)。
書斎は3帖位ですが、ここもカーペット敷き詰めで贅沢に仕上げました。
主寝室には廊下から続くカーペット敷き詰め、ネイビーの壁紙クロス、ナチュラル色のオープンクロークで落ち着きのある洒落空間に。
クローゼット(アウター用)とシーズンクローク(押し入れ)もあります。
そして奥様のご趣味であるピラティス。
生徒さんに教えている先生でもあります。
自然の風景画のような特徴的である壁紙クロス、壁の一面にはオーダーして造った大型ミラー、スピーカー付きダウンライトで、没入感のあるピラティスルームをデザインしました。
カルテットペイントのカラーはアッシュブロンド。
私がつくったペインティング工法であるカルテットペイントは、どのカラーも非常に美しい出来栄えです。
動画で数々紹介していますが、実際に見ると印象が変わります。
厚みをだしたペイントの質感や、決して均一ではないが手仕事の醍醐味を感じていただける美しい壁面‥
ご覧になりたい方は、是非モデルハウスで体感してください。
※完全予約制(水曜日を除く・所要時間・約2〜3時間)
最後に、住宅会社のネームバリューやハウスメーカーといったキーワード、住宅系ユーチューバーに騙されてはいけません!
私もYouTuberですか?ね笑
お伝えしたいこと、それは「全て自由と責任」です。
建てる人間(設計士)の「どんなお家を建てるか」の自由と責任+お客様の「何を(誰を)選択するか」の自由と責任。
ひとつ言えることは、命がけで建築に向き合う設計士と、命がけで家づくりを考えているお客様には信頼関係が生まれます。
では、皆さんが賢い選択ができるように願っております。
【新築住宅への想い、中古戸建て・マンションのリノベーションに関して】
私は新築戸建ての設計や建築を主としています。
理由は美しい街を創りたいたいから。
美しい街は資産価値と、それを守る住人の意識を生みます。
街や住人の意識や価値を一変させる思想で、メイクノスタルジーと命名しております。
日々楽しんで苦しんで命を削る思いで設計を繰り返し、
私の描いた設計図面があんなに大きくスケールアップしたお家に建ち上がる。
感動で心が震えます。
だからリフォームやリノベーションに興味があまりなかったんです。
ただ、知人や関係者からたっての要望があると見てみぬふりができず。
私が関わることで一人でも幸せな方が増えるのなら、という想いです。
マンションであれば一旦スケルトンにしてのフルリノベーションが、設計の醍醐味(暮らしの激変)を感じられます。
また、間取り制作や照明計画、外構工事、クロス選び、バックセット(カップボード)施工、玄関タイル等、部分的なリフォームもほぼ手掛けません。
リフォームでも、建築施工が絡む内容には設計が必要となります。
図面を起こしますと、コンセント・スイッチ・照明計画等の電気配線図の制作も重要なポイントとなります。
照明・電気計画が入りますと、「何を、どう照らすのか」といったインテリア計画(クロス、床材、天井材、家具、カーテン等)が本来必要となります。
図面を描いて、お客様が依頼されている工務店が着工しても「この図面通りには(技術力の差で)出来ません」というやり取りが始まってしまう。
そのような過去のほぼ全ての経験から、住宅の全ては連動した一気通貫の中で計画されるべき、という考えに至りました。
戸建てリノベーションを手掛けない理由として。
いわゆる「暮らしが変わらないリフォーム」しか出来ないことがほとんどだから。
抜けない構造材や、壁の中が想定外の造りになっているなど、表面上は綺麗にできるが暮らしは変わらない。
何より、元々の設計者の意図や意志が入ったお家(設計)にメスを入れるだけの修正作業は非常に苦しいですね。
手前勝手ではございますがご容赦いただけますと幸いです。
私はこの仕事に誇りをもっているので、昨今目にする機会が多い「志の無い」設計士に嘆いています。
しかしながら、そこに向き合うお客様が、より良く打ち合わせが進むようにも願っています。
そこで、ハウスメーカー(設計士)とお客様、双方の視点で解決策はないものかと考察しました。
自由設計!なんでも出来ます!何度でも図面作成OK!‥等々
私には「クレームから全力で逃げたい(だけ)」に見えます。
住宅業界の責任逃れ体質。
設計士の意識改革。
お客様の心構え。
私なりに様々な視点から、原因と対策を提案します。
照明計画でお伝えしたいこと。
それは、住宅の原案設計者にしか分からない意図があるということ。
様々な照明器具や建築化照明がありますが、本来の目的や意図と反して使用することもあります。
照明計画だけを別の設計士に依頼するのはナンセンスです。
照明と親和性を高めるべき項目にインテリアの計画があります。
住宅は奇をてらわず、シンプルに造ってインテリアで美しくまとめることが大切です。
暮らしの質はインテリアで左右され、人生を変える力もありますので、一度きりの真剣勝負で挑んでいただきたい。
根本的にインテリアの良し悪しは、住宅設計で決まります。
コーディネーターではなく、設計士の力量にかかっているということ。
インテリア、外構、全ては原案設計者が一気通貫でプランニングしないと良くなりません。
美しさも居心地もメンテナンス性も、全ては設計力です。
設計力や提案力に満足できないお悩みに対して。工務店や大手ハウスメーカーなど、耐震性や断熱性のスペックだけを売りにする住宅は、本当に私たちの求める住宅でしょうか?新製品やスペックにとらわれることなく、美しさと使い勝手を併せ持つ私のオリジナルな基準で住宅に関する情報を発信します。後悔の無い・失敗しない家づくりをするために、住宅設備の剪定、インテリアのコーディネート(クロス選び・建具選び・床材選び・カーテン・カーテンレール・家具配置)、照明計画(ダウンライト・間接照明、ペンダントライト)など、住宅設計の基礎となる考え方も参考にしていただければ幸いです。
@tomoyaoshimura1993
#新築 #リフォーム #DIY #ハウスメーカー #注文住宅 #リノベーション
【チャプター】
00:00 イントロ
00:18 オープニング
01:02 リビングの設計とインテリア紹介
05:23 ダイニングの設計とインテリア紹介
09:39 キッチンのインテリア紹介①
17:29 キッチンのインテリア紹介②
23:38 水回りの設計とインテリア紹介
27:08 階段と廊下の設計とインテリア紹介
28:35 2階のインテリア紹介
33:22 奥様希望の素敵な部屋を紹介
36:52 高い質感の住宅が大切な理由
42:55 エンディング