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ゲノムからみる弥生時代人 I 神澤秀明 博士(国立科学博物館)

History Genome & Culture 141,275 lượt xem 3 years ago
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現在の古代DNA研究では、次世代シークエンサーが登場したことでゲノムを対象とした解析が精力的に行われている。我々の研究チームは、縄文時代人のゲノムに加えて、弥生時代人を中心としたゲノムデータも取得し、解析を進めている。
現代日本人の成立過程を説明する説として、1991年に埴原和郎が人骨の形態学的な研究に基づいて提唱した「二重構造説」がある。在地の縄文系集団と渡来系集団の混血によって成立したとするこの説は、現代人および縄文人のゲノムを解析した研究からも支持されている。しかしながら、両者の混血が、弥生時代以降の日本列島でどのように進んでいったのか、その詳細は依然として不明である。
そこで我々は、北部九州弥生人1体および西北九州弥生人2体のゲノムを解析した。それぞれの地域の人骨は、形態学的には渡来系および縄文系と捉えられてきたが、ゲノムからは、両地域の個体は既に混血が進んでいた。以上の結果は、これまで形態学で見られていた地域的特徴が、弥生時代中期以降に限って言えば、その程度の違いを見ていたことを示す。現時点ではゲノム分析数が限られるが、それでも膨大なゲノム情報であるため、弥生時代人の遺伝的実体の大枠が見えてきたと言えるだろう。

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