MENU

Fun & Interesting

「うつ」から回復した人の特徴 #うつ病 #早稲田メンタルクリニック #精神科医 #益田裕介 / People who have recovered from depression

Video Not Working? Fix It Now

00:59 治療のポイント:自己理解
02:23 治療のポイント:他者(社会)理解
03:17 治療のポイント:しなやかな思考
04:36 その他の変化

本日は「うつが良くなった時の変化」というテーマでお話しします。

苦しんでいる患者さんはたくさんいらっしゃいます。
「よくなっていきますから」と言うと患者さんはホッとする反面、良くなった後の自分というものが想像がつかなかったりします。
自分は良くなったらどうなるのか、は分からないのです。

こうすれば良くなっていきますよ、という話もするのですが、イメージがつかないようです。
気持ちはよく分かります。
ただそれを想像していくことはすごく重要だと思いますので、今回お話ししてみようと思います。

■治療のポイント:自己理解

精神科の治療で重要なポイントは3つあります。
「自己理解」「他者(社会)理解」「しなやかな思考」をよく言います。

自分のことを知るというのはすごく重要です。
治療の中で自分のことを知る、自分の生い立ちのことを考える、自分と家族のことを知る、家族との関わり方を知っていくというのはすごく重要です。

自己理解をわかりやすく言えば、自分の長所と短所を分かるということで、それによって自分なりの解決スタイルもわかってきます。

うつが良くなった時には自己理解はかなり進んでいます。
その結果自分の良いところと悪いところがわかってきて、人生の目標が何となく出てきたり、やりがいを語れるようになります。

逆に良くなってない時は目標ややりがいが言語化できず考えられていないのですが、それは病気が悪いからかもしれないし、考える機会を持てていないからかもしれません。
目標ややりがいを持てるようになると、逆説的にうつが良くなるということもあります。

■治療のポイント:他者(社会)理解

あの人はどんな人か、社会とはこのようなものだ、会社はこんなものだという理解が進むということがあります。
それが進むと治療がうまくいくし、逆に良くなった時にはそういうことが分かってきます。

自分のことを知ると急に他人のこともよく見えるようになってきます。
その結果、人に期待しすぎない、怒りすぎない、喜びすぎないということになります。

逆に人を見下すということもなく、尊重するという気持ちも芽生えてきます。
他人のことを怖いと思わない、尊重はするのだけれどもへりくだらないという風に変わってきます。対等に付き合っていくことができます。

■治療のポイント:しなやかな思考

いつも言うことですが、しなやかな思考、柔軟に物を考えられるようになるので「これしかない」という発想がなくなります。
0-100思考、白黒思考というものがなくなってしなやかな思考になっていきます。

その結果、患者さんによっては優しくなる人がいたり、逆に意地悪になる人もいたりします。
今までは全然言えなかった人の悪口や僕への批判や怒りを割と言えるようになったりします。

その怒りというのも感情的というよりは、「痛いところを突いてくるな」というような意地悪な表現をしてくることがあるので、良くなった証だなと思います。

患者さんは、最初は「先生、本当に苦しくて」と言っていた人は、治療が終わる頃には意地悪なギャグやジョークをかましてくるようになります。
逆に最初にすごく意地悪でつっけんどんな人は優しくなります。

良くなってくると真ん中(中道)に寄ってくるという感じがあります。

■その他の変化

そのほか具体的にどのようなことがあるのかというと…

お金が貯まります。
変に衝動買いをしなくなります。

仕事が楽になります。
楽しくなったという人がいます。
自分のことを理解し、自分なりのやりがいや目標を見つけて仕事に取り組むので楽になるということもありますし、また他人のこともわかり期待しすぎなくなって、上手く振る舞えるようになったという人も結構います。

本や映画、マンガが楽しくなります。
色々なことが分るようになってくると理解度が増します。
「あんな見方ができるのですね」「病気になった後に見直すと色々なことが分かりました」という人が多いです。

ニュースに対する恐怖心も減ります。
何を見ても動じなくなるとも言えます。
うつが酷い時にはニュースに触れるのが怖くても、そうした恐怖心は減ります。
でんと構えて「また何か言ってるわ」というのもあれば、「なるほど、世の中はこういう風に変化してるんだな」とニュースを見て楽しむ人も増えます。

旅行が楽しいということもあります。
体力が戻ってくるので、移動したり、そこへ行って美味しいものを食べたり、お金を使ったり良いホテルに泊まる、温泉を楽しむなど旅行を楽しむ人が増えます。

何より話題が豊富になります。
患者さんと喋っていても色々なことを教えてくれます。
うつが良くなる頃には本当に色々なことを教えてくれて、勉強になります。

YouTubeをそもそも始めるきっかけも患者さんが教えてくれたからです。
毎日臨床をしていて色々なことを患者さんから教わるので、家とクリニックの往復ですが心は自由で色々なところに行けているなと思います。
それは患者さんのお陰だと日々思っています。

うつが良くなった時はこんな感じです。
今はちょっと苦しんでいる人でも、良くなった時にはこういう自分になるのかなと想像してみてください。
そうすれば治療が早まる可能性があります。

ゴールばかりを追いかけるのではなくプロセスを楽しむべきではあるのですが、こういうゴールになるのかなとおぼろげに思っておくだけでも全然違いますから参考にしてください。

-----------

再生リスト:うつ病
https://www.youtube.com/playlist?list=PLQ8mF8Sg2NY7w2LiH1ZyfDgQDIdEdv--D

-----------

『精神科医がこころの病気を解説するChとは?』
 一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
                 早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介

『自己紹介』
益田裕介
防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
2020年6月5日より断酒継続中。

【参考】
厚労省みんなのメンタルヘルス https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
カプラン 臨床精神医学テキスト第3版
倫理規定について https://note.com/mentalyoutubers/n/nb130991f3fa4

【コメントについて】
・コメントは承認制です
・コメントは益田が目を通していますが、手が回らず、質問にはお答えできません。ご理解よろしくお願いします。
・(のちのち)自分や他人を傷つける可能性のあるものは承認されません
・他の人への返信も原則禁止です。共感的なもの、相手に役立つものは一部、許可しています。短い時間で判断しているので「どうしてこれがダメなの?」みたいなものもあると思いますが、それはこちらのミスであることも多いです。ご了承ください。

【取材対応。テレビや雑誌、Webメディアの人へ】
気軽にご相談して下さい。 toiawase@wasedamental.com
方針についてはこちら https://youtu.be/esgbyuhTvRo

【公認の切り抜き動画はこちら】
https://www.youtube.com/channel/UCu0kj2CJD9AXHSuTCWi3NWQ/videos

【動画制作の裏側はこちらから】
https://www.youtube.com/channel/UC9WXfmJQZVItKASe68--PJg

Comment