合図なしのビレイ(声が聞こえない,相手が見えない時の登攀)
トップがビレイポイントにいて、セカンドに声が届かないし、セカンドの様子が見えないといった場合には合図なしのビレイ(合図なしの登攀)を行います。悪天候下のマルチピッチクライミングでありそうなことです。ロープを何回か引くことで信号が送れる場合もありますが、中間支点の所でのロープドラッグでそれも伝わらない時があります。
①トップはロープアップなしにセカンドをビレイシステムをセットしてロープを上げ続ける。
②セカンドはロープがいっぱいになったら、セルフビレイをはずして登り始める。
③何度も一緒に登り、充分に互いの技術やロープの動きを理解しあった者どうしであれば、「ロープアップを入れてよい」と明らかに判断出来る場合も多いです。その場合にはその判断に従ってよいと考えます。例えば、ロープを何回か引くことで信号が送る方法がありますが、中間支点のロープドラッグでそれが出来ない場合を考慮に入れておかなければなりません。
「大きな声で合図をしろ」「そんなんじゃ聞こえない」なんて後輩を叱責する先輩を見かけます。マルチピッチのクライミングや沢登りでは合図が届かないことが良くあります。大声で合図することと同時に合図が届かない場合についても伝ておくことを、その先輩にはお願いしたいです。