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人は過去に心を支配されますか?【精神科医が7分で説明】学習性無力感|サバイバー|リライト

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人は様々な行動を繰り返すことで変化するため、過去から影響を受けることは否定できません。一方で、過去は消せなくても今の経験で「上書き(リライト)」する余地はあり、過去に執着するよりも「サバイバー」として今の経験と未来の変化に集中する事が現実的な対策です。

ご質問「人は過去に心を支配されますか?」に対し、精神科医が約7分の動画でお答えしています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

こころ診療所吉祥寺駅前 https://kokoro-kichijoji.com
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↓↓内容の詳細は下記になります。

過去の経験が今に与える影響

過去の経験が今の不調に影響していると感じる方は少なくありません。中には「過去に心を支配されている」と感じる方もいらっしゃいます。確かに、過去の経験は今に影響を及ぼすことがあります。

影響の現れ方

影響の出方は人それぞれですが、主に以下のようなパターンがあります。

1. 嫌な出来事を繰り返し思い出し、そのたびに不調になる
2. 「どうせうまくいかない」といった考え方のくせが出てしまう
3. 「学習性無力感」により、何かをやる気力が湧かなくなる

行動分析的に見ると、人は環境の中で行動(話す、動く、聞く、影響を受けるなど)を積み重ねることで変化していきます。そのため、悪い経験の積み重ねが変化に負の影響を与えることもあります。例えば、幼少期に自分の判断をことごとく否定された経験から、「自分で判断することは無駄」と学習してしまい、自分で考えることができなくなるケースなどがあります。

過去からの脱却は可能か?

過去の経験が今に影響を与えているのは事実ですが、だからといって今後も過去に支配され続けるとは限りません。難しい面もありますが、過去の支配から抜け出す余地はあります。

過去に支配されてしまう例としては、以下の2つがあります。

1. 学習性無力感から「どうせできない」とあきらめ、できることもしなくなる
2. 過去への怒りなどに執着し、過去のことばかり考え、今に目が向かなくなる

これらの状態では、新しい経験で過去を上書きすることができず、つらさが慢性化してしまいます。

つらい体験への対策

つらい体験への対策は、その体験が「今は終わっている場合」と「今も続いている場合」で異なります。

1. 今はつらい状況が終わっている場合
- 今を充実させることが一番の対策
- 過去は変えられないが、今の経験で徐々に上書きすることは可能
- 成功体験を積み重ね、過去を少しずつ上書きしていく

2. 今もつらい状況が続いている場合
- 現実的な対策が必要
- 可能であれば環境を変える(ただし、リスクや失うものを総合的に判断する)
- 変えられない場合は、状況の意味づけを変える(例:相手の発言を受け流す練習をする)

過去を振り返る必要性

基本的には、過去よりも今と未来を優先すべきです。過去に執着すると今を見失い、つらさが慢性化してしまうからです。ただし、過去を振り返る必要がある場合もあります。その際は、以下の点に注意しましょう。

- 過去と十分に距離を取れていること(今の基盤がしっかりしていること)
- 一歩引いて、もう終わったこととして冷静に振り返ること

まとめ

過去の経験は今に影響を与えますが、だからといって過去に支配され続ける必要はありません。今の経験と未来の変化に重点を置くことが大切です。現在も困難な状況が続く場合は、可能であれば環境を変え、難しい場合は状況の意味づけを変えるのが現実的な対策といえるでしょう。

こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)

#学習性無力感 #リライト  #サバイバー  #心療内科  #精神科医  

【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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