かつてないほどの歴史的な高値となっている煮干し。
「イット!」が訪ねた人気つけ麺店も、その影響で値上げを余儀なくされていました。
東京・大田区にあるつけ麺店の前には長い行列ができ、店内に入ると煮干しのいい香りが漂ってきます。
一番人気は、スープに約15kgもの大量の煮干しを使ったつけ麺。
6時間かけてじっくりと煮出し、1日寝かせた超濃厚などろっとしたスープに、来店客も「結構ゆずがきいているのと、煮干し系の中では濃い感じ」とコメント。
人気の一方で、店は深刻な問題に直面しています。
それは、相次ぐ不漁や不作による材料の値上げ。麺の小麦粉、トッピングの卵や、のり、そしてチャーシューの肉とほぼ全てで値上げの波が押し寄せているのです。
中でも、スープの命とも言える煮干しの値上がり幅について、煮干しつけ麺 宮元の平良惇さんは「(煮干しは)2年前くらいから徐々に上がってきている。倍近く変わってくると思う。お客さんに負担をかけるが、今月に入り値上げを実施した」と話します。
やむを得ず、1月から全商品で行った値上げ幅は30円。
背景は、煮干しの原料となるイワシの不漁。そのため、仕入れ価格も上がり続けているといいます。
煮干しつけ麺 宮元・平良惇さん:
煮干しだと1㎏1300円くらい。2年前だと700~800円くらい。(他の食材などの)状況によっては、また上げないといけないかもしれない。
5年ほど前は、1kg当たり516円。3年前に1000円を超えたあと、一時、値下がり傾向になりましたが、2024年12月には、過去5番目の高値1225円にまで上がりました。
お客さんは、どこまで値上げを受け入れられるのでしょうか。
聞いてみると「1400円までなら来る。それ以上は難しいかもしれない」「今どこ行ってもラーメンは1000円以上。1000円以下で食べられるところはなかなかないので、このクオリティーなら全然いい」といった声が聞かれました。
深刻さを増す値上げの波。
さらに、大手製粉会社3社は、2月1日から、家庭用小麦粉の一部商品を値上げすると発表。一層の負担が家計を直撃することになります。
FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/